第367章：元夫、離婚一周年おめでとう

その後、二人が離婚した後、古川真雪はこの指輪をオークションに出し、久保清森はオークション会場でそのダイヤの指輪を買い取った。

だから……結局この指輪は再び真雪の手に戻ったということ？

ネットユーザーの中には、右手の中指に指輪をつけることは「恋愛中」を意味すると指摘する声もあり、これは二人が再び交際を始めたことを意味するのだろうか？

ネットユーザーやメディアのさまざまな疑問に対して、真雪と清森は知らぬ顔を決め込み、二人は相変わらず充実した日々を過ごしていた。

夏の足音はあっという間に遠ざかり、ほどなく天気は徐々に涼しくなっていった。

真雪の父親が亡くなってから一年が経ち、父の命日から一週間後には、彼女と清森の離婚一周年でもあった。

朝起きて朝の運動をし、帰ってきてシャワーを浴びて朝食を取った後、真雪は寝室の外にあるベランダで、熱いお茶を手に持ってくつろいでいた。

秋風がそよそよと吹き、手の中の熱いお茶の温度が徐々に冷めていく。彼女はお茶を置き、隣の小さな丸テーブルに置いてあった携帯電話を手に取り、清森にLINEを送った。

【元夫くん、離婚一周年おめでとう。この一年、苦海から解放されて私はとても幸せだったわ。ただ、まだイケメンの愛人を囲えていないのが少し残念かな。】

メッセージを送った後、彼女はお茶を手に取り、ベランダを離れて階下のリビングへと向かった。

リビングのソファに座ったばかりのところで、耳にチャイムの音が聞こえてきた。

真雪は手に取ったばかりのリモコンを置き、ドアの前まで行き、モニターで外に立っている見慣れた姿を確認してからドアノブを回して開けた。

彼女はドア枠にだらしなく寄りかかりながら尋ねた。「まだ会社に行ってないの？」

「会社に行こうとしたところで君からのメッセージを受け取ったんだ。」

少し間を置いて、彼の笑みを含んだ目元に、気づきにくいほどの真剣さが徐々に浮かび上がってきた。「もう一年経ったね。復縁について考えたことはある？」

ほとんど反射的に、真雪は真剣な表情で首を振った。「ないわ。でもこの一年、ずっとイケメンの愛人を囲うことについて考えていたの。どう思う？」

清森の表情に一瞬の葛藤が浮かんだが、次の瞬間、その葛藤はふざけた笑みへと溶け込んだ。彼は厚かましくも口を開いた。「ボス、どうか僕を囲ってください。」