長谷川の母の指導のもと、彼女は再びハサミを手に取り、余分な枝を切り落とした。
長谷川の母が新たに好きなことを見つけたのを見て、朝比奈初は心から彼女のために嬉しく思った。
朝比奈初:「枯れ枝も処理しておきましょう」
「わかってるわ」長谷川の母は顔を傾げて彼女を見ながら言った。「あなたは休んでいきなさい。私一人でできるから」
母は初が会社で午後ずっと忙しかったことを知っていたので、彼女に休むよう勧めたのだ。
剪定はそれほど難しくないし、この程度の自信は持っていた。
「じゃあ、遠藤さんを見に行って、キッチンで手伝うことがないか確認してきます」彼女の剪定の様子が悪くないのを見て、そばには専門の庭師もいるので、初は特に心配することもなかった。
初は今日、会社から少し遅く帰ってきたので、食事の準備が終わっても千怜に届ける時間がなかった。
千怜がそろそろ授業が終わる頃だと思い、初は携帯を取り出して、夕食は自分で何とかするようにと伝え、約束の5000円をWeChatで送金した。
最後の送金を完了させ、初はチャットを閉じると、下に何件か未読メッセージがあるのに気づき、一緒に確認した。
ちょうど長谷川一樹のマネージャーからのメッセージを見つけ、何か自分に伝えることがあるのかと思い、興味を持ってクリックして読んだ。
マネージャーは監督が彼女にカメオ出演してほしいという経緯を詳しく説明していた。
初が出演すべきかどうかについては一言も触れず、最後に一樹がこのことを彼女に伝えなかったことに愚痴をこぼしていた。
初は携帯の画面を見つめ、眉を少し上げながら丁寧に返信した:【了解しました】
一樹はかなり冷静に対応しているようだ。昨日のことを、今になっても彼女に話していない。
彼はまだ帰ってきていないので、初はこのことを気にせず、携帯を置いてキッチンに入り、遠藤の手伝いをした。
——
一樹は仕事を終え、マネージャーと一緒に外で夕食を食べていた。
「僕はこの後まだ用事があるから、先に帰っていいよ」と一樹は言った。
マネージャーは好奇心を持って尋ねた。「何の用事?」
彼らが仕事をしていた場所は千怜の学校からそう遠くなく、食事を終えた今、一樹はすぐに家に帰ろうとは思わなかった。