斎藤央たちのグループは鶏むね肉を手に入れることに成功した。これ以降の肉料理は彼らにとってほとんど負担にならず、取れるものは全て取り、取れなくても問題なかった。
二番目のオークションは牛肉で、同じように入札が進み、この時は三つのグループ全てが参加した。
朝比奈初が最後の入札をした後、他の二つのグループはもう追随しなかった。結局、彼らの貢献ポイントには限りがあり、7ポイントで牛肉一つを競うのはあまり割に合わないと感じたのだ。
最終的に初は7ポイントで牛肉を獲得した。
牛肉が初のグループに渡された後、番組スタッフはすぐに魚を持ってきた。全員が一斉に顔を上げ、画面越しでも競争の緊張感が伝わってきた。
【魚!ついにオークションテーブルに登場した!!】
【お願い、この魚は絶対に佳子のグループに行って欲しい、彼女たちは今のところ何も持っていないから】
【央も魚が欲しいみたいだけどどうしよう、央も佳子も好きだから、どうしても無理なら魚を半分に切るとか、本当にどう選べばいいか分からない】
【助けて、このオークションはかなり激しくなりそう】
監督が第三ラウンドの開始を宣言すると、篠田佳子が最初に値をつけた。「5ポイントです。」
斎藤央:「6ポイントです。」
朝比奈初の番になると、彼女はためらうことなく宣言した。「12ポイントです。」
彼女が口を開くと、会場は静まり返った。まさか彼女がそんなに強気な値段をつけるとは思わなかったのだ。
【うわっ!12ポイント、そんなに強気なの?】
【こんなにたくさん食材があるのに、なぜ魚にこだわるの?わざとでしょ】
【彼女さっき他の二つのグループの会話を盗み聞きしたんじゃない?そうじゃなきゃなぜ突然魚を奪おうとするの?】
【花瓶は水でも飲んでなさいよ、魚なんか食べる必要ないでしょ、さっさと他の人に譲りなさいよ】
監督はしばらく呆然としてから我に返り、メガホンを持って注意を促した。「12ポイントですが、他に希望者はいませんか?」
佳子は妹を見た。魚を一匹取ってくると約束していたので、この時点であきらめたくはなかった。ちょうど札を上げて入札しようとした時、佳織が突然彼女の手首を押さえ、少し落胆した様子で言った。「もういいよ、12ポイントは高すぎるよ。」