第181章 初雪

夜は深く、星々が瞬き、冷たい月は雲の中に隠れていた。

小さな羊の体調を心配して、監督はずっと人を派遣し、放送終了まで全過程を追跡していた。

朝比奈初たちが休憩所に戻ると、同行していたスタッフは監督に状況を正確に報告し、小さな羊が治療を受け、無事に羊舎に戻ったことを確認した。監督のやきもきした気持ちはようやく落ち着いた。

もしあの二匹の子羊が彼らの番組で何か問題が起きていたら、その結果は想像を絶するものだっただろう。

結局はリアルタイム放送のバラエティ番組なので、後編集に頼っても視聴者の番組への信頼を取り戻すことはできない。

初:「監督、私たち二人の用事がなければ、先に帰りますが」

監督は軽く頷き、感謝の気持ちを込めて言った:「はい、お二人とも本当にお疲れ様でした」

朝比奈初と長谷川一樹を見送った後、黒田監督がやっと一息つこうとしたところ、副監督が慌てて彼に近づいてきた:「監督、大変です!私たちが炎上して急上昇ワードに載っています!」

黒田監督は「えっ」と声を上げ、眉をひそめて驚いて尋ねた:「誰が炎上したんだ?」

副監督は無力に頭を振りながら、Weiboの急上昇ワードを開き、スマホを監督に渡した。

小さな羊が体調不良を起こした時、彼らが誰も前に出て気にかけなかったこと、最終的に朝比奈初と長谷川一樹が小さな羊を牧場主の家に連れて行って治療したことで、ネットユーザーが彼らに疑問を投げかけ始めた。

あの二匹の病気の子羊はそれぞれ彼らのグループのものだったが、彼らの羊に対する無関心な態度がネット上で議論を巻き起こした:

【マジかよ、斎藤彩はまだしも、篠田佳子と斎藤央は一体どうなってるの?公人として、番組収録中に自分の羊が突然下痢になったのに、こんなに責任感も愛情もないの?】

【ただの通りすがりだけど、この急上昇ワード見て本当に怒りたくなる】

【彼らは何を恐れてるの?何かあっても脳みそのないファンが彼らを擁護して、最終的に責任を番組側に押し付けるだけでしょ。親切な人たちが余計なことをする人になって、目立ちたがり屋になるんだよね】

【本当に見ていられない。バラエティ番組とはいえ、せめて演技くらいしろよ】

……

翌朝、空は薄い青色で、朝霧はまだ晴れず、草原全体を覆っていた。