第209章 800の心眼(4000字)_2

【私たちの坊ちゃんを甘く見ていたわ、まさか屋根伝いに壁を走るなんて技を持っているなんてね、ははは】

【さっきは本当にハラハラしたけど、こんな方法で危機を脱出するなんて思いもしなかったわ】

【カメラマンの気持ち:お前は無事でよかったな、俺の仕事はもうすぐなくなるけど】

【でもね、さっきの彼、本当にかっこよかった。素手で壁を乗り越えるあの姿は、まるで映画を撮っているような感じだった】

【前回、羊の囲いの低い壁を乗り越えた時から身のこなしがいいと思ってたけど、今回はあんなに高い壁なのに、よく登る勇気があったわね!!】

彼が壁の上に座ったまま、降りてくる気配がないのを見て、あの二人の謎の人物は立ち去った。

この時、監督はモニターの前に座り、長谷川一樹があんなに高い壁を登るのを見て、心臓が宙に浮いたような気分だった。

黒田監督は特に出演者が番組中に事故に遭うことを恐れていた。

賠償金を払うのは小さな問題だが、万が一本当に大きな事故が起きたら、彼らも説明に困るだろう。

監督は少し焦り、急いで他のスタッフに向かって言った。「長谷川がどこにいるか確認して、すぐに梯子を持って行ってあげて」

……

一樹は危機が一時的に去ったのを見て、すぐには警戒を解かず、携帯を取り出してチームメイトに重要な情報を共有し、追跡されないよう注意するよう伝えた。

「早く降りてきなよ、彼らはもう行ったよ」カメラマンは機材を担いで見上げる角度から撮影し、首がすでに疲れてきていた。

「……」あんなに高い壁を見て、一樹は突然眉をひそめた。

登る時は石のレンガを踏んで、彼の身長なら壁の上に手が届くので、当然簡単に登れたが、今降りるとなると、本当に難しい。

【なぜか分からないけど、ははは、頭の中に「油を盗むネズミ」という言葉が浮かんだ】

【こんなに高い壁から降りるのは確かに簡単なことじゃない、命を賭けてゲームをしているようなものだ】

【長谷川一樹さっきはどれだけ勇敢だったか、今はそれだけビビってるんだね、ははは】

一方、朝比奈初はすでに連続して二枚の記念カードを見つけていた。

突然隣から物音が聞こえてきたので、彼女は壁の角の比較的目立たない場所に隠れて観察していた。