第210章 力を合わせて

「佐伯莉子は何をしているの?視聴率が欲しいからって、こんな大ネタを暴露する必要はないでしょう?」

これは配信ルームの視聴率が爆発しただけでなく、監督も見て慌てるほどだった。

前回、番組で大胆な発言をした人は朝比奈初だったが、まさか佐伯莉子もその一人になるとは。

今の若者は本当に何でも言ってしまうものだ。

配信現場

莉子の話を聞いていた篠田佳子は少し困った表情を浮かべ、思わず前に出て注意した。「莉子、そろそろにしておきなさい。これ以上言うと問題になるわよ」

撮影でセリフを覚えない俳優は少なくない。もしそれを暴露するとなれば、芸能界の半分を敵に回すことになるだろう。

莉子は突然手で自分の口を覆い、わかっていながらとぼけているような感じで、小さな声で言った。「ごめんなさい……余計なことを言ってしまいました」

【ネタがあるならもっと話して、聞きたいわ笑、できれば名前も暴露してほしいくらい】

【予想だけど、この部分が放送されたら、芸能界の大半の人が否定コメント出すよね/自己保身】

【この子、ここ2年くらいで少し売れてきたんじゃなかった?こんなこと言って敵を作って大丈夫?】

【佳子みたいなベテラン女優が庇うってことは、その人かなり大物なんじゃ】

俳優が撮影でセリフを覚えないのに賞を取るという問題が番組で遠慮なく取り上げられたため、トレンドワードもリアルタイムで更新されていた:

#佐伯莉子が配信で暴露、ある俳優は撮影でセリフを覚えない#

#近年賞を受賞した俳優は誰?#

視聴率が上がり続けるのを見て、莉子の事務所はトレンドを削除する方法を考え、この問題が大きくなるのを避けようとしていた。

……

朝比奈初は村の大通りや路地を何周も回り、同時に謎の追跡者から逃れなければならなかった。

このままでは時間がかかりすぎると感じた初は、道で村の子供に出会うと助けを求めた。「ねえ、これを見たことある?」

初は白いミッションカードを取り出し、親切に腰をかがめて子供に確認してもらった。

子供は目を落として見た後、突然体を横に向け、さっき来た方向を指さして、ゆっくりと口を開いた。「さっきあっちでそれっぽいの見たよ」

「どこにあるか教えてくれる?」このゲームでは脱落システムが作動してから、初の行動は制限され、常に謎の追跡者が現れないか警戒していた。