第102章 1連3問

長谷川千怜は学校周辺の環境をよく知っていて、マンションを出ると、自ら朝比奈初にどこのお店の料理が美味しいか、どこに美味しいものや面白いものがあるかを教えてくれた。

初はその絶え間ない話を聞きながら、少し感心して言った。「君、普段からよく抜け出してるんだね。」

「たまに遊びに出て、リラックスするだけだよ。」彼女は恥ずかしそうに頭をかき、初と目を合わせる勇気がなかった。

彼女たちがいる場所は汐見市のCBDに位置し、立地条件が良く便利で、近くにはショッピングセンターや住宅があり、何でも揃っていて非常に賑やかだった。また、この辺りは娯楽施設も充実しており、若者にとって魅力的な場所だった。

千怜は近くの内装が高級で清潔な人気レストランを選んだ。以前は小遣いが少なかったため、彼女はここに足を踏み入れる勇気すらなかった。

ちょうど今日は初もいるので、千怜は嬉しそうに彼女を引っ張って食事に行った。「私がおごるよ、私が。」

今では小遣いが何倍にも増え、以前よりもずっと余裕があったので、千怜は「私がおごる」という言葉を自信を持って言えるようになっていた。

どうでもいい、どうせ初も遠慮しないだろう。

昼時だったので、レストランは特に混雑しており、二人は番号札をもらって並ぶのに少し時間がかかりそうだった。

二人は入口近くの待合スペースに座り、千怜はこのレストランのパンフレットを手に取って何気なく目を通しながら、つぶやいた。「来るタイミングが悪かったね。お昼時だし、今日は土曜日だし。」

「何を急ぐことがあるの?美味しい料理は待つ価値があるわ。」

初は通常、番号札を取って並ぶような店には行かない。時間の無駄だと感じるからだ。ここで番号札を取って待つくらいなら、すぐに席に着いて注文できる別の店を探した方がいいと思っていた。

しかし、千怜がこのレストランにこだわっているのを見て、初は彼女に合わせ、彼女の願いを叶えることにした。

「昨日、お兄ちゃんと食事に来た時も、このレストランで食べたかったんだけど、人が多すぎて夜の自習に間に合わないと思って。」

今では彼女は学習を深く心に刻み込み、何をするにしても授業を最優先に考えていた。

週に5000元もあるのだから、大切にしないと今後はもうチャンスがないかもしれない。