第143章 どこで見つけたの_2

二人の奥様は言葉に詰まり、普段は口下手ではない彼女が、自分の家族を守るとなるとこんなにも頭がはっきりしていることに驚いていた。

長谷川の母は二人が黙っているのを見て、目を伏せて配信を見続けた。

試合は残り3分となり、朝比奈初は切り紙の重なる部分を折りたたみ、一度に二箇所を同時に切れるようにした。

この方法を使い始めてから、初のスピードはかなり上がった。

監督が残り時間1分半を告げた時、彼女はすでにはさみを置き、間もなく他の二組も作業を止めた。

監督は小さなメガホンを持って配信ルームに入り、両手を腰の後ろで組み、まるで上司が視察するような姿で、三組のゲストの前に行き、彼らの作品を全て見て回った。

斎藤央のグループは完成した切り紙が一枚だけで、ウサギの耳は大きさが不均一で、他の透かし模様の装飾も上手く処理されておらず、持ち上げると切り離されていることがわかった。

篠田佳子の切り紙はとても粗雑で、ウサギの尻尾がなくなっているだけでなく、小さな鼻も表現されていなかった。篠田佳織のものはやや良く、少なくとも形があって見られるものだった。

監督は通りがかりに大まかに見て、目に失望の色を浮かべた。

彼はゲストたちに十分な時間を与えて切り紙をさせたのに、これは体力仕事でもなく、風雨にさらされるわけでもないのに、出来上がったものがあまりにも適当で、明らかに心を込めていなかった。

監督は失望の目で通り過ぎ、朝比奈初たちの方へ来ると、目の中の光が突然また輝きを取り戻した。

なぜなら、彼は完全で見栄えのする切り紙を見たからだ。初が時間に追われて仕上げた窓飾りは、ウサギも周囲の複雑な装飾も、はさみで台無しにされた跡がなかった。

長谷川一樹は切り紙を最初に終えたゲストで、彼の時間はとても余裕があった。切り取った角が多く、美観に影響している以外は。

監督は最後に九十九聴のところに来ると、聴は両手で自分の切り紙を捧げ持ち、熱心に差し出した。「監督、私の切り紙を見てください。」

「いいね。」監督は満足そうに頷いた。

聴と一樹の切り紙はどちらも滑らかさに欠け、方向転換が必要な箇所では角が出やすかった。

監督は後ろからメガホンを取り出し、口元に当てた。「発表します。今日の切り紙大会は、三人組の勝利です。」