【実際、前回のことを考えなければ、斎藤彩と長谷川一樹はかなり年下の弟と姉のカップル感があるよね。二人が一緒にいるシーンからは、あの華やかな財閥の雰囲気が漂ってくる~】
【ハハハ、財閥の雰囲気って、前の姉妹、あなた表現が上手ね】
それぞれの作業を割り当てた後、朝比奈初と篠田佳織はランチの食材を探しに出発した。
朝比奈初は周囲の環境を観察した。この地域の栽培面積はかなり広く、野菜は豊富にあるだろうと彼女は考えた。
村の近くに来ると、二人は道中で巨大な菜園を見つけた。
佳織はそこを通りながら思わず何度も見入り、感嘆の声を上げた。「こんな大きな菜園があるなんて思わなかった。来る時に全然気づかなかったわ……うわぁ、ここの野菜の種類、すごく多いね」
初は「私たちが来た時は別の道を通ったからね」と答えた。
「なるほど」
菜園には多くの人が収穫作業をしているのを見て、初は地元の村民に声をかけた。「おばさん、こんにちは。私たちはキャンプに来たんですが、野菜を少し分けていただくことはできますか?」
おばさんは麦わら帽子をかぶり、日差しが帽子の縁に当たっていた。顔を上げると、頬に斑模様の光が映り、入口に立てられた看板を指さしながら、優しい笑みを浮かべて言った。「お嬢さん、ここでは収穫体験ができるし、摘みたての野菜も販売してるよ。あっちで詳しく聞いてみな。全部有機野菜だから、安心して食べられるよ」
初は「ありがとうございます」と礼を言った。
この収穫園は観光客向けに特別に設けられたもので、中には季節の野菜や果物がたくさん植えられていた。
初と佳織は収穫園に入り、それぞれ籠を手に取って栽培ハウスの中を歩き回った。
温度管理されたハウスの中では、みずみずしいトマトが栽培棚からぶら下がり、隣にはピーマンも植えられていて、どれも大きく実っていて目が離せなかった。
「こんなに安いの!!」佳織はトマトの品種情報と収穫価格が書かれた看板の前に立ち、読み終えると信じられないという表情を浮かべた。
初は佳織の驚きの声を聞いて、興味深そうに近づいて見てみた。
初が価格を見た瞬間、画面が静止したかのようになった。
二人がそこに立ったまま次の動きがないのを見て、カメラマンも気を利かせて前に出て、カメラを寄せて隣の看板にズームインした。
【何?早く見せてよ~】