第151章 トラブルを起こしたい_2

「お母さん、この毛糸は全部新しく買ったの?」開封されていない毛糸玉を見て、朝比奈初は少し驚いた様子を見せた。

長谷川の母が暇つぶしに適当に編んでいるだけだと思っていたが、まさか夢中になっているとは。

「そうよ、前回のはもう編み終わったわ。新しいデザインを習い始めてもいいかしら?」

彼女のこの熱心に学ぶ姿勢に、初は承諾した。「いいですよ。まずは二色編みの方法をお教えしましょうか」

初はまず彼女に好きな色を二つ選ばせ、それから説明しながらゆっくりと動作を見せて、どうやって二色の毛糸を編み込むかを教えた。

長谷川の母は心を落ち着かせ、真剣に初の作業を見つめ、初が編み始めて二、三段編んだところで、ようやく彼女に手渡した。

「今教えた方法で続けて編んでいけばいいですよ」

「わかったわ」長谷川の母は彼女から編み針を受け取り、ゆっくりと糸を通していった。

彼女が基本的な編み方をマスターしたのを見て、初はもう見守る必要もないと思い、隣に座ってしばらくスマホをいじっていた。

彼女はある種の強迫観念があるのか、通知が来るたびにすぐに消したくなる癖があった。しかし、消している最中にまた新しい通知が飛び込んできて、初は内容をよく見ないまま誤ってタップしてしまった。

画面が二、三秒切り替わり、タップしたのは人気のあるWeiboの投稿だった。ちょうどその写真に写っている人物は彼女も知っている人だった。

この人気投稿は篠田佳子が奥寺光のドラマ撮影現場を訪ねて、撮られた路上写真だった。写真の中の二人は寄り添い合い、目に宿る愛情が画面からあふれ出しそうだった。

二人は夫婦で公人でもあるので、初は撮られても普通のことだと思った。人に見られて困るようなことではないのだから。ただ、この人気投稿が大勢の人の目に触れるようになったことに、なぜか反感を覚えた。

これが初がWeiboをやらない理由かもしれない。彼女はこういう無関係な通知が本当に嫌いだった。

初は適当に見ていたが、この文章自体には特に惹かれるものはなかった。しかし、ネットユーザーのコメントを見たとき、コメント欄がとても賑わっていることに気づき、中には彼女の名前を出している人もいた。

【わぁ、佳子ちゃんは撮影終わるとすぐに旦那さんのところに行くなんて、このカップルめっちゃ甘いじゃん】