後半になると、皆はますます熱が入り、この娯楽試合に没頭し始めた。
徐々に、朝比奈初は少し力を使い果たしているように見え、ラケットを振る速度も大分遅くなり、目元には疲労の色が見え、顔には薄い赤みが浮かんでいた。
初の状態の変化に気づいた長谷川彰啓は手加減し始め、ラケットを適当に振り、シャトルはネットを越えることなく地面に落ちた。
周防隼人はちょうどネットから近い位置にいて、先ほどのシャトルがどのように地面に落ちたかを目の当たりにした。
シャトルがネットに当たって落ちるのを見て、隼人は面白がるように立ち止まり、手のラケットを肩に担いでいた。
彰啓は本能的にシャトルを拾いに行き、少し腰を曲げ、ラケットを使ってシャトルを拾い上げた。
突然そのとき、隼人が意地悪そうに口を開くのが聞こえた。「おや、このシャトルは生意気だな、長谷川様のラケットを受け止められないなんて。」
言葉が終わるか終わらないかのうちに、ラケットに乗せたシャトルが彰啓によって予告なく打ち出され、空中で弧を描いた。
「……」隼人は反応する間もなく、ラケットをまだ肩から下ろしていないうちに、目の前に何かぼやけたものが飛んでくるのを感じ、驚いて自分でつまずきそうになった。
次の瞬間、シャトルは正確に隼人の足元に落ちた。
「……サーブする時は先に言ってくれない?」隼人は目を伏せ、自分の不運を認めてシャトルを拾い上げた。
それが終わると、彰啓はようやく付け加えた。「打ったよ。」
「……」隼人がサーブの準備をしていると、彰啓が突然声を上げた——
「もう終わり、少し休もう。」
男女の実力には一定の差があり、後半になっても初が彰啓と江川航のシャトルを受け止められるのは本当に容易なことではなかった。
ちょうどこのミスを機に、初に少し休ませよう。
「えっ……」隼人は今回素早く反応し、間に合うように止まったので、シャトルを打ち出さずに済んだ。「俺をからかってるんだな。」
彼は何か悪いことをしたのか?
なぜこんな扱いを受けるのか!
江川航も彰啓の提案に賛成した。「少し休もうよ、俺も少し疲れた。」
彼らが休憩のために止まるのを見て、端に座っていた黒崎雄介も黙っていられず、立ち上がって彼らに水を渡す手伝いをした。
彰啓はミネラルウォーターを一本取り、キャップを緩めてから初に渡した。