長谷川一樹は好奇心を抱いた。「こういう特価セールって本当に損しないの?」
朝比奈初は顔を少し傾けて彼を見て、尋ねた。「あなたは後光効果って知ってる?」
長谷川一樹は聞いて困惑した顔をし、理解できていないようだった。「わからないけど、それがセールとどう関係あるの?」
「実は価格を上乗せして利益を出す方法なんだよ。お店は商品の価格を密かに上げてから、お客さんにおまけをつける。それに、賞味期限が近い商品を新しい商品とセット販売したりして、消費者が製造日を気にせずに購入するようにしているの」
【朝比奈さんが本音を言うとき、他人の事情を考えない感じがして笑っちゃうwww】
【やっぱり...セール期間中の商品って普段より高いんだよね。自分の気のせいかと思ってた】
【これってネットショッピングサイトのセールでよくあるパターンじゃん?こっそり値上げしておいて、クーポン配布して、お客さんに得した気分を味わわせる...】
長谷川一樹は眉をひそめながら聞いていて、冷たく言った。「少し値上げしておまけをつけても、それでも損するんじゃないの」
朝比奈初:「まさか本気で他人が赤字覚悟で商売してると思ってないでしょ?自分が得してると?考えてみて、彼らがお客さんに提供しているのは賞味期限が近い商品で、元の価格の半分でも売れれば、スーパーの在庫整理になるし、客足も増えて売上も上がる。倉庫で腐らせるよりずっといいでしょ?」
彼が黙って、何かを必死に考えているような様子を見て、初は淡々と言った。「だから、あなたのお兄さんがあなたを仕事に関わらせないのは正解よ」
「どういう意味?」
初は遠慮なく言った。「あなたはビジネスの才能がないのよ」
長谷川一樹:「……」
【ははははは仕方ないから演技に専念しようよ、家業を継ぐ運命じゃなかったんだね】
【もういいよ一樹、姉さんの言うことを聞いて、ご飯をちゃんと食べなさい。ビジネスのことは気にしないで】
【彼こそ賞味期限切れの商品みたいなもんだよ、倉庫で腐るのを待ってるだけwwww本当にビジネスセンスゼロ!幸い一人っ子じゃなくてよかった、そうじゃなきゃお父さんの一生の努力が水の泡だったね】
【一樹が人生で一番正しい決断をしたのは、芸能界に入ることだったんじゃない?】