あっという間に夏休み前となり、志遠は精力的に学生募集計画を展開し、田中純希は市場部で仕事の手配に忙しくしていた。足の踏み場もないほど忙しい時に、彼女は撮影のアルバイトの電話を受けた。
この女の子は松本智という名前で、以前一度純希との撮影の約束をすっぽかしたことがあった。後で申し訳なく思い、多くの同級生を純希に紹介してくれたのだ。実際、純希はそんなことを気にしていなかった。彼女がキャンセルした日、ちょうど自分はブルーカップと契約の話をしに行く予定だったし、彼女のキャンセルのおかげで、純希はブルーカップで渡辺修一と「喧嘩から始まる縁」を結ぶことができたのだから。
「純希、私の先輩がもうすぐ卒業するんだけど、彼女たちのクラスが撮影のカメラマンを探してるの。来週の土曜日なんだけど、大丈夫?」
智は演劇芸術学校に通っていて、クラスメイトはほとんど女の子で、美に対して高い要求を持つ女の子たちだった。卒業写真にも当然より高い期待を持っていた。
彼女たちが自分を選んでくれたことに、純希は光栄に思った。卒業写真は通常、プロのカメラマンに依頼するもので、自分はまだそのレベルには達していないと思っていた。
しかし、一日中の撮影料はかなり良いことも知っていた。
純希は少し考えてから承諾した。「わかりました、時間を調整できます」週末は元々休みだし、この数日で仕事を調整すれば、週末は完全に空けることができる。
前回あんなに長く入院していたのだから、必死に働かなければ、失った時間をどうやって取り戻せるだろうか?
智はとても喜んだ。「それは良かった!すぐに先輩に伝えるね。みんな純希の撮影スタイルが大好きなんだよ!」
純希は笑った。「みんなが気に入ってくれるのが私にとって最高の評価です。彼女たちの卒業の思い出を心を込めて撮影するから、安心して」彼女は初めてこんな大きな仕事を引き受けたが、この機会を通じて自分のスキルを向上させたいという思いがあった。
純希にとって、チャンスさえあれば、不可能なことはなかった。
純希はすぐにWeChatグループを作り、智に卒業クラスの責任者全員を招待してもらった。簡単な自己紹介の後、彼女たちの好みのスタイル、撮影する人数、創造的なポーズ、衣装、場所などについて話し合った。一連のコミュニケーションを経て、純希はさらに自信を持った。