第341章 中島陽太の弱点

田中純希は学校と連絡を取り、学校は手順通りに渡辺修一と面接を行い、彼を5年生に編入させた。

この国際小学校は他の国際小学校とは異なり、教育モデルは欧米と日本の教育の中間に位置し、6年制で学習の負担が少なく、外国の子供たちも適応できるようになっていた。

純希は自ら修一を学校に送った。修一はパパがアメリカに出張中であることを知っており、少し不機嫌だった。ママはパパと一緒に学校に送ると約束していたのに。

純希は修一が何故機嫌を損ねているのか分かっていた。彼女は言った。「パパは仕事が忙しいの。今度パパが時間があるときに、パパと一緒にお迎えに行くわ。どう？」

修一は渋々同意した。「子供を騙さないでよ」

純希は彼の小さな頭をつついた。「あなたは賢いから、誰も騙せないわね」

修一は得意げに言った。「当たり前だよ」

彼らが学校に着くと、修一は言った。「妹も一緒だったらもっといいのに」

クラスメイトが彼にかわいい妹がいるのを見たら、きっと羨ましがるだろう。

純希は修一が妹自慢魔になりつつあるのを見て、「妹は家で勉強してるの。お兄ちゃんとして妹の良い手本になって、将来は妹の宿題を手伝ってあげてね」と言った。

修一は責任の重さを感じた。「ママ、安心して。僕は今すぐ飛び級できるよ。加藤一晴が像と同じ席に座りたいって言わなかったら、僕はもう中学生になれるのに」

彼らが話している間に、後ろから誰かが修一の名前を呼んだ。

純希は運転手に送られてきた可愛い女の子を見た。女の子はぴょんぴょん跳ねながら彼らの前に走ってきた。「修一、久しぶり！修一ママ、前よりもっと綺麗になったね！」

純希はこれが加藤一晴だと気づいた。小さな女の子はまだこんなに甘い口調で、本当に愛らしかった。

修一は一晴を見ると、顔の従順な表情を引っ込め、一瞬でクールな少年に変身した。クールに言った。「一晴、まだそんなに背が低いの？」

一晴は納得がいかなかった。「修一ママ、私って背が低いですか？」

純希は修一の小さな肩をたたいた。「紳士は女の子にそんな風に話しかけないものよ」

修一は口をとがらせた。「わかったよ。一晴、まだ背が伸びてないの？」

純希は冷や汗をかいた。言い方を変えても意味は同じじゃないか！

一晴は真剣な様子で純希と握手した。「修一ママ、私は修一のことを気にしませんから」