須藤夏子が見つかり、陸橋天音、宮平一郎、木村弘恪はそれを知って安堵の息をつき、急いでホテルに戻った。
しかし西園寺真司は夏子の精神状態が不安定なことを懸念し、誰にも彼女に会わせなかった。
シャワーを浴びた後、夏子は今日起きたことや出会った人々のことを考えることなく、ぼんやりとした意識のまま眠りについた。数時間も雨に打たれていたため、案の定、夏子は夜中に熱を出した。
体は寒くなったり熱くなったりを繰り返し、震えたかと思えば汗をかき、喉は火が通っているかのように乾いて、彼女を灰にしてしまいそうだった。
夏子はただ自分が苦しいということだけを知っていたが、意識は思うように働かず、自分がどうなっているのかわからなかった。まるで悪夢に陥ったかのように、心理的にも身体的にも二重の苦痛に押しつぶされ、自分自身を粉々にしたいと思うほどだった。最後には頭の中に空白と溜息だけが残った。
翌日、重たい瞼を開けて天井の点滴と、ベッドの横で伏せて眠っている真司を見たとき、夏子はようやく昨夜自分が病気になったことを理解した。
真司は彼女のベッドの端に伏せ、手は彼女の手の甲に置かれていた。まるで彼女が動いて針が抜けるのを恐れているかのようだった。そして彼の服装は、昨夜と同じ黒いシャツのままだった。
きっと彼は一晩中彼女を見守っていたのだろう。そうでなければ、服を着替える時間さえなかったはずがない……
「西園寺——」夏子の心の中には言葉にできない感情があったが、無視できない温かさがあった。彼女は無意識に彼の名を呼ぼうとしたが、声を出すとかすれて乾いた、聞き苦しく力のない声だった。
これが高熱の後遺症だった。
夏子は唾を飲み込もうとしたが、舌先も口腔内も少しも湿り気がなかった。それに気づいて、彼女は真司を起こす考えを諦めた。
もう少し彼を眠らせておこう。
しかし次の瞬間、真司は顔を上げた。
「目が覚めたか?まだ辛いか?」夏子の様子を見て、彼女も今起きたばかりだとわかった。寝癖でぼさぼさになった髪は、首を少し上げたことで少しだけ整い、首と枕の間に広がって、憔悴した顔の半分を隠していた。
夏子は最初、だいぶ良くなったと言おうと思ったが、なぜか強がりたくなかった。そこで彼女は頷いた。