街全体のネオンは、霞んだ中でちらつきながらも、決して消えることはなかった。無数の灯りが明滅し、誰のために輝いているのかは分からない。
夜はますます深まり、雨も止むことなく降り続けていた。土砂降りの雨が街全体をより一層霞ませながらも、同時にそれをより清らかに洗い流していた。
大雨が過ぎ去れば、すべての痕跡は消え去るだろう。彼女が歩んできた道も、彼女の人生の中の……石川城太、深井杏奈、須藤明良、木村眉子……かつて彼女の人生で最も重要だった恋愛も、家族愛も、すべて終わったのだ。
そう、すべて終わったのだ……
すべてが終わったのだ。
もう心を引き裂かれることも、心の奥底まで痛むこともない。
しっとりとした湿気が骨の髄まで染み込み、須藤夏子は崩壊した後、果てしない冷静さに陥った。
苦しみはなくなったが、同時に希望もなくなった。雨越しに無数のネオンを見つめながら、彼女は突然立ち止まり、自問した。彼女はどこへ行けばいいのだろう?
骨身に染みた悲しみから解放されたが、彼女の世界には彼女自身しか残っていない。彼女はどこへ行けばいいのだろう?
夏子は再び途方に暮れ、両足に身を任せ、考えることも見ることもせずに歩き続けた。
どれくらい歩いたのだろう、夏子は自分の道がまた行き止まりに来たと感じ、思わず足を止めた。顔を上げると、彼女自身も愕然とした。
なぜ彼女はここに来たのだろう?
頭上で輝く「パシホテル」という四つの華やかな文字を見て、夏子は自分でも呆然とした。
彼は、今この瞬間、彼女を探しているだろうか?
夏子の心の中で、ほのかな温かい炎が再び燃え始めようとしていたが、何かが足りないせいで、結局は燃え上がらなかった。
彼女は二度も杏奈の策略にはまったが、どちらも彼が救ってくれた。しかし二度とも、彼は彼女の弱みに付け込むことはなかった。彼女の心の中で、彼は実は紳士だった。彼女は不思議と彼を信頼していた。今となっては、本当に彼だけを信じ、今でも彼だけを信じている。
しかし彼女は彼を探しに行く勇気がなかった。
こんな自分に、彼を探しに行く理由があるだろうか?また、どうして彼を探しに行く資格があるだろうか?
しばらく静かに見つめた後、夏子は下唇を噛み、落胆した足取りで立ち去ろうとした。