第49章 完全に決着をつける

たった一目で、西園寺真司は須藤夏子の心を見透かしていた。

「午後、一緒に戸籍謄本を取りに行こう」

夏子は顔を上げて彼を見つめた。彼の目に宿る真剣さと優しさを見て、突然恐れが消えた。彼女は頷いて「うん」と答えた。

しばらく休んだ後、真司は彼女と陸橋天音を連れて須藤家へ向かった。

「どうして宮平一郎さんと木村弘恪さんを連れてこなかったの？」

夏子は知っていた。あんなことがあった後では、結婚するのは簡単なことではない。須藤明良と木村眉子が簡単に戸籍謄本を渡してくれるはずがない。こういう時こそ、一郎と弘恪を連れてくるべきではないだろうか。

しかし真司は言った。「一郎と弘恪は君子に対処するためのもの。天音は小人に対処するのが一番得意だ」

夏子は彼のこの言葉に笑ってしまったが、その笑顔には苦さが混じっていた。

そうだ...彼女の両親までもが、小人になってしまったのだ。

須藤家に着くと、夏子は車から降りるなり、石川城太の車が玄関前に停まっているのを見た。夏子は、城太がいるなら深井杏奈もいるだろうと思った。ちょうどいい...今日こそ、これらの人々と完全に決着をつけよう。

真司は夏子の手を握り、彼女がインターホンを押そうとするのを止め、天音に視線を送った。

天音はむっとした。まさか、インターホンを押すような仕事を彼女にさせるつもりなのか。

あんな汚いドアのボタン、押したくない！

天音は花壇から小石を拾い上げ、ドアに向かって投げつけた。

数秒後、ドアが開いた...

開けたのは石川城太だった。城太は、ドアの外で手を繋いで立っている夏子と真司を見た瞬間、彼の表情は完全に暗くなり、狂気に近い目で二人の絡み合う指をじっと見つめた。

彼らは...彼らはこうして堂々と一緒になったのか！

「行こう」真司は城太の人を食いそうな視線を無視し、夏子の手を引いて中へ入った。

一歩中に入ると、須藤明良、木村眉子、深井杏奈が一斉に近づいてきた。彼らの表情は城太とほぼ同じだった。

「夏子、やっと帰ってきたね。昨日の夜はどこにいたの？お父さんは何度も電話を—」

「本当に電話したんですか？」天音は彼の言葉を遮り、真剣な表情で尋ねた。

明良はなぜか言葉に詰まった。

真司の顔にすぐさま冷笑が浮かんだ。