たった二日来ていなかっただけなのに、学校はすでに大きく様変わりしていた。かつての静かなキャンパスは今や行き交う学生でいっぱいだった。
須藤夏子が管理棟に着いてまもなく、学校の幹部たちが一人の男性と一人の女性を取り囲んで向かってきた。
取り囲まれていた女性はどこか見覚えのある顔で、水色がかった赤いドレスを身にまとい、艶やかな容貌と星のように輝く雰囲気を持っていた。校長と話すときも、敬意を示しながらも媚びることのない態度を保っていた。
女性の隣に立っていた男性は27、8歳くらいに見え、とても端正な顔立ちをしていた。体にぴったりとフィットしたシャツとスラックスを着こなし、背筋が伸びて優雅な印象を与えていた。彼は静かな雰囲気で、あまり話すのが好きではないようで、ただ微笑みながら皆の会話に耳を傾けていた。
「須藤先生、ちょうどいいところに来てくれました」校長は夏子を見るなり急いで近づいてきた。同時に、校長の後ろにいた人々も夏子に気づいたが、取り囲まれていた二人だけは最初に陸橋天音に視線を向け、目に驚きの色を隠しきれず、それから夏子に視線を移し、その瞳には探るような光が満ちていた。
夏子は礼儀正しく微笑んで言った。「校長先生、申し訳ありません。入職したばかりなのに、ずっと休暇を取っていまして」
校長は夏子がどういう立場の人か知らなかったが、オーナーからこの新人を大事にするようにと言われていたので、彼女を責める勇気はなかった。そのため大らかに笑って言った。「あなたは声楽の先生ですから、授業以外の時間を学校が取るべきではないんです。そんなに自責する必要はありませんよ」
夏子は丁寧に微笑み、それ以上は何も言わなかった。
しかし校長は夏子をその男女に紹介し、「須藤先生、こちらは環宇会社から派遣された代表の櫻井お嬢様と鈴木さんです。今日の午後、先生にも彼らと一緒に面接に参加していただきます」と言った。
夏子はその女性を見れば見るほど見覚えがあるように感じたが、誰なのか思い出せなかった。二人と握手を交わした後、校長はさらに言った。「ちょうど昼食の時間ですから、須藤先生も私たちと一緒にどうですか」
夏子は少し恐縮したが、断れない状況で、天音にはまずホテルに戻るよう伝え、自分は学校の幹部たちと予約済みのレストランへ向かった。