第97章 彼女を迎えに来る

学制と面接の時間が他の学校とは少し異なるため、今日面接に来た学生は想像していたほど多くなかった。

しかしセイント・ヨークは学生に対する要求が他の学校よりも厳しく、特に編入ではない特待生に対しては、ほとんど神経質なほど厳格だった。そのため、学生の数はそれほど多くなくても、須藤夏子は午後6時まで忙しく働いていた。

「須藤先生、この何人かはどう思いますか?」櫻井静は自分が選んだ13人の********を夏子に渡した。

夏子はそれを見て、全員が外見と雰囲気の良い少年少女たちだと気づいた。

「櫻井お嬢様が目をつけた方々なら、もちろん素晴らしいでしょう」夏子は彼女が会社のために人材を選んでいることを知っており、その視点をよく理解していた。見た目が良くない場合、会社は整形のためにお金を出さなければならず、プロデュースするのもより面倒になる。

静は彼女の言葉を聞いて、ただ淡々と微笑み、そして言った。「私は須藤先生にお世辞を言ってもらいたいわけではなく、意見をいただきたいのです。私は外見だけを見ていますが、この人たちの実力が十分かどうかは、須藤先生に判断していただく必要があります」

夏子は彼女が選んだ人の中から誰も排除せず、手元の2束の履歴書を静に渡して言った。「左側のこれは、声質と音感が良い人たちです。右側のこれは、少し欠けているけれどまだ向上の余地がある人たちです」

つまり、静自身に重複があるかどうか確認させ、重複している場合は外見と声の条件の両方が悪くないということを示していた。

静は何も言わず、じっくりと比較し、最終的に手元には3つの履歴書だけが残った。そして夏子を見て、ため息をついて言った。「この世にもっと須藤お嬢さんのような人がいればいいのに。やはり美貌と才能を兼ね備えるのは難しいものですね」

夏子は彼女の褒め言葉を聞いて、背筋に冷たいものを感じた。誰かに狙われているような感覚が、ますます強くなっていた……

面接が終わった後、静と鈴木森吾は校長に招かれて行った。

夏子は一日中座っていたため、腰と背中が痛くなっていた。少し片付けをしてパシホテルに戻ろうとしたところで、立ち上がるとすぐに携帯が鳴った。

「今日は学校で仕事だったの?」西園寺真司の声は軽快で明るく、何か嬉しいことがあったようだった。