第184章 それはどんな目つきだ？

石川お婆様は先ほどまで単なる推測をしていただけだった。西園寺真司が戻ってきたのは石川家に対抗するためだと推測していたので、心の準備はできていた。そして、自分の持つ株式を使って石川テックを守りたいと願っていた。

彼女は石川商事に対して特別な感情はなかったが、石川テックは彼女と子供たちの切実な利益に関わっていた。彼女は株式を真司に渡せば、真司が利益を考慮して石川商事を見逃してくれると思っていた。たとえ石川テックが名前を変えることになっても、S＆Y集団に潰されるよりはましだと！

しかし真司は明確かつ断固として、石川家を潰すと宣言した！

いつも感情を表に出さない石川お婆様でさえ、この時はあまりの衝撃に顔色が青ざめ、危うく立っていられないほどだった！

「坊や、あなたはビジネスマンでしょう。石川商事を潰して、あなたに何の得があるの？私はむしろ直接石川テックをあなたの手に渡した方がいいと思うわ！」

「興味ないね」真司は冷静に断った。もし石川テックが欲しかったなら、石川城太がまだ大学を卒業する前に手に入れていただろう。なぜ今まで待つ必要があっただろうか。「石川城太の父親である石川国光が石川テックを引き継いでから、この十数年間、石川テックはずっと下り坂だ。こんなボロボロの会社、石川家の尻拭いなどしたくない」

「でもあなたはどうしても石川商事を潰したいの？それがあなたにどんな利益をもたらすというの？ただ心の中の恨みを晴らすため？石川テックは確かに下り坂だけど、国内業界ではまだ上位にランクインしている。石川商事を倒すのは一朝一夕にできることじゃない。なぜそんなことに時間を使う必要があるの！」

真司は石川お婆様がここまで石川商事を守ろうとするとは思っていなかった。彼の目はますます冷たくなり、言葉を発しなくても、彼の表情がすべてを物語っていた。

石川お婆様は深く息を吸い込み、両手が思わず少し震え始めた。結局、これ以上説得を続けることはなかった。真司の骨の髄まで染み込んだ恨みを刺激することを恐れたのだ。

石川お婆様が去った後、須藤夏子は不安そうに真司を見つめ、心配していた。彼女は真司が憎しみに満ちた姿を見たくなかった。それはあまりにも人を苦しめるものだった。

「本当に石川テックと石川家を潰すつもりなの？」