第201章 彼らのイチャイチャを見る

時計店の件は、西園寺真司が調べられるなら、深井お婆様も当然調べられるはずだった。

その日の昼、アシスタントは昨日時計店で起きたことを詳細に深井お婆様に報告した。深井お婆様はその場で怒り出した!

「ひざまずきなさい!」

深井お婆様の怒りに直面し、深井詩乃は恐怖で心臓が震えるのを感じながら、ドシンと膝をついた。お婆様は彼女を可愛がっているが、西園寺真司に関することとなると、お婆様は常に絶対的な決定権を持っていた。

「お婆様、私...私はわざとじゃなかったんです。あの女性が西園寺さんの妻だとは知らなくて、後になって兄さんから聞いて初めて知ったんです。お婆様、本当にわざとじゃなかったんです。」

詩乃は膝をついたまま、頑固に涙をこらえていた。まるで天にも届くような大きな不満を抱えているかのように。

深井お婆様は彼女を見て、恨み骨髄という表情を浮かべた。はっきりとは言わなかったが、詩乃がわざとではなかったと思っていた。偏愛しているわけではなく、須藤夏子という人物が深井家ではタブーだったからだ。

深井杏奈が自分の妹のボーイフレンドを奪ったという事件は、深井家では秘密ではなかったが、皆がそれについて暗黙の了解をしていた。結局、それが広まれば恥をかくのは深井家だ。杏奈が今は深井姓を名乗っているのだから。

だから深井家の人々は須藤夏子についてほとんど言及せず、関心も示さなかった。西園寺真司が夏子と結婚するまでは。

西園寺の結婚のニュースを最初に知ったのは杏奈だったが、彼女は深井家の人々に伝えるほど愚かではなかった。夏子を避けるのに必死で、絶対に夏子を深井家の視界に入れたくなかった。しかし、この件は最終的に深井和久の耳に入り、和久が知れば、詩乃を除く深井家全員が知ることになった。

深井お婆様はこのことを知っていたからこそ、詩乃の言葉を信じたのだ。

「あなたという子は、私に何と言わせるの!以前の気まぐれは、お婆様はあなたがまだ若いからと大目に見てきたけど、今はもう22歳でしょう。どうしてまだそんなに分別がないの。買い物のような些細なことでさえ人と争うなんて!」