今井修平は彼女の反応に少し驚いた。
通常、女の子を美しいと褒めると、女の子は喜ぶものだ。中には恥ずかしがる子もいるが、彼女たちは自分が美しいことを知っていて、その美貌で何かを得ようとする者も多い。
しかし美智はそのような反応を見せなかった。
彼女の美しさは、彼が見てきた美人の中でも指折りのものだった。白く玉のような肌は、さらに彼女の魅力を引き立てていた。
だが彼女は自分がどれほど美しいか分かっていないようだった。彼女の美貌が非常に強力な武器であり、無限の利益と交換できるものだということに気づいていない。
まるで純粋な子供が、巨大な金山銀山を使わずに、自ら苦労して作った穀物を少しのお金と交換しようとしているようだった。
美智は彼がわずかに考え込んでいるのを見て、思わず尋ねた。「修平様、もしかして気が変わったのですか?」
「そんなことはありません」
「では、私が女だと分かって失望したのですか?」
「もちろんそんなことはありません。ただ、あなたのような華奢な女性が『神を倒す勇者』というような勇ましいハンドルネームを使っていることに驚いただけです」
「大したことではありません。適当につけただけで、単なるコードネームです。修平様、私たちの協力について話し合いませんか?以前約束してくださったことは、まだ有効ですか?」
「もちろんです」
今井修平は彼女の繊細で美しい顔を見つめ、笑顔を広げた。「橋本さんの能力からすれば、私が提示した年俸百万円でも安すぎるくらいです。ただ、以前も言ったように、百万円は基本給で、グループに出勤する必要はありませんが、グループに問題があれば解決してもらう必要があります。その報酬は別途計算し、市場価格よりも高く支払うことをお約束します」
「そして最も重要なのは、橋本さんは私個人が雇うネットワークセキュリティエンジニアとして、対外的には私の助手として紹介されることです。グループの他の人があなたに仕事を頼んでも、聞く必要はありません。私の指示だけに従ってください」
美智はうなずいた。「その点は修平様が以前にも明確に説明してくださいました。理解しています。グループの他の人のために働くことはなく、私はあなたの個人的な力です」
今井修平は以前、武田直樹との交渉で感じた鬱憤が、この瞬間ようやく和らいだ。