第205章 驚かすのは面白いの木村萌?

三考えてよ、ボス!!

私の預金通帳も家も全部あげてもいいわ!でも私という人間を縛り付けようとするなら、死んでもダメ!

鈴木瑠璃はその小さな箱を見て戦々恐々としていた。まるでそれがパンドラの魔の箱であるかのように、開けると何か恐ろしいものが飛び出してくるような気がした。

木村佑は彼女のあまりの反応に少し驚き、興味深げに尋ねた。「中に何が入っていると思ったんだ?」

瑠璃は弱々しく言った。「え?もしかして……」指輪とかじゃないの?

「パチン」という音と共に、男の清潔で白い指が箱を開けた。

中には確かに目がくらむほど鮮やかな鳩の卵大のダイヤモンドがあったが、それはダイヤモンドのネックレスだった。

瑠璃は「……??」

人を驚かせて楽しいの、木村萌?

佑は箱を彼女の前に押し出し、まるで傲慢な社長のような口調で言った。「あげる」

瑠璃は彼をちらりと見て、目尻に色気を含ませながら、さりげなく指でその箱を引き寄せた。「まあ、こんな素敵なものをいただいていいの?」

佑は口元を少し上げて言った。「君によく似合う」

「ありがとう、木村社長〜」

瑠璃が小さなヒールを鳴らしてゆっくりと立ち去った後、佑は頭を下げて引き出しを開けた。

中には、もう一つ同じような箱があった。

唯一違うのは……

佑はため息をつき、箱を開けた。きらびやかで豪華なダイヤの指輪がそこに寂しげに横たわり、もの悲しい輝きを放っていた。

ダンスレッスンにて。

六人の練習生の動きは完璧に揃っていた。立ち位置、個人パート、リズム、力強さのどれをとっても申し分なかった。

センターポジションに立つ少年は、ゆったりとした白いTシャツに黒のハーレムパンツを合わせ、一挙手一投足が人々の心を魅了していた。

冷静に場を支配する圧倒的なオーラと爆発的なパフォーマンスは、会場の女の子たちを小さな悲鳴を上げさせるほどだった。

「きゃあ!お兄さんの視線に殺される!」

「小山星河のダンス、すごく素敵!白石塵の時よりも衝撃的で、何度見ても飽きないわ!」

「みんな、最近星河お兄さんの成長が爆発的じゃない?どんどん素晴らしくなってる!でも頑張りすぎて心配になるわ……」

一曲終わると、女の子たちはすぐに水を持って彼の周りに集まった。