お金持ちの美人令嬢の日々はあまりにも悠々自適で、鈴木瑠璃が午後に何か予定を探そうと考えていたところに、鈴木涼音から電話がかかってきた。
「時間ある?一緒にエステでもしない?」涼音の声は機嫌が良さそうだった。
瑠璃はBluetoothイヤホンを装着して、「いいわよ、ちょうど暇してたところ」
「じゃあ、いつもの場所で待ってるわ。詩美の3階よ、早く来てね」
電話を切ると、瑠璃はナビを開いてエステサロンへと車を走らせた。
約束の場所に着くと、受付のスタッフが笑顔で彼女を上の階へと案内した。涼音はすでにそこで待っており、傍らには3人のエステティシャンがサービスメニューを勧めていた。
鈴木家の二人のお嬢様はこのエステサロンのVIP顧客で、毎年少なくとも1000万円はここで消費しており、院長自らが二人のケアを担当するほどだった。
以前から瑠璃の美しさは知られていたが、今日改めて見ると、エステサロンのスタッフたちは彼女の美しさに驚嘆していた。
「鈴木瑠璃様、本日はどのようなコースをご希望ですか?」コンサルタントは丁重にお茶とケアメニューの冊子を差し出した。
瑠璃は壁の鏡を何気なく見て、「シンプルな保湿ケアでいいわ」
女主人公の外見的条件は完璧で、どんなケアも余計なものだった。普通にある吹き出物や毛穴の詰まりさえ見当たらなかった。
コンサルタントは笑いながら褒め称えた。「瑠璃様のお肌は私が見た中で最高のものです。あの有名な芸能人たちが大金をかけて美容医療をしても、瑠璃様の天然の美しさにはかないませんわ!」
「そうですとも、瑠璃さんが芸能界に入ったら、あの何とかいう第一美女なんて比べ物にならないでしょうね!」
「この肌はどうやってケアしているの?一点の欠点も見当たらないわ!」
……
周りから心からの賛辞が聞こえる中、涼音は不機嫌なふりをして、「もういいわよ、これ以上言われたら私が人前に出られなくなるわ。妹だけ褒めて私を褒めないなんて、誰があなたたちのスポンサーか忘れたの?」
他の女性たちはくすくす笑い始めた。「涼音様もとても美しいですよ!」
雰囲気が和やかな中、一人の受付の美女が急いでカーテンをめくって入ってきて、瑠璃をちらりと見た後、小声で院長に言った。「院長、楚田汐様がいらっしゃいました。あなたに指名でケアをご希望です」