第152章 恋愛中の純真バカ少年

「河さん、何見てるの?もう30分も携帯見て笑ってるよ!」利田均は首を伸ばして彼の携帯画面をちらりと見た。

小山星河は面倒くさそうに携帯を裏返してテーブルに置き、指の関節を曲げてテーブルを軽く叩いた。「数学の問題用紙を何セットか持ってきて、白紙のやつな」

均は一瞬固まり、自分の耳を疑った。「いや、河さん、いつからそんなに勉強熱心になったの?」

星河は後ろに少し体を傾け、リラックスした姿勢で言った。「もうすぐ大学入試だろ」

均:「だから?」

星河はバカを見るような表情で:「問題解かなきゃいけないだろ?」

しばらくして、均は深く感心したように親指を立てた。「河さん、マジですげぇ」

教室の一番後ろの席に座り、授業中はいつも寝ていて、転校してきたばかりなのに理系クラスで学年トップを独占し、前回の模擬試験では706点を取った秀才が、こんな自覚を持っているなんて、なんて素晴らしいことだろう!

豪はちょうど附属中学の裏の小さな路地にある本屋で問題集を買ってきたところで、一文字も書いていない新品を取り出して星河の前のテーブルに投げた。

「偶然だけど、ちょうど数学買ってきたんだ!」

「サンキュー」星河はさっと中身をめくった。中の問題はすべて基本的な出題ポイントで、頭を使わなくても解ける簡単なものだった。ちょうどいい。

こんな簡単な内容なら、彼女が教えるのも苦労しないだろう。

均はテーブルの反対側に身を乗り出し、しばらく彼を見つめてから言った。「河さん、言わせてもらうけど、その表情、恋する乙女みたいだぞ」

星河は笑いながら彼を蹴った。「うせろ」

鈴木瑠璃が決めた家庭教師の場所は、市中区の風情ある通りにあった。

十月だというのに、まだ暑い日が続いていた。茶屋の中庭は環境が美しく、石畳の小道は静かで、竹で編まれたテーブルと椅子が並び、間には花鳥の屏風が置かれ、人工の池からは水が流れ、涼しさを求める人々の聖地となっていた。

ここのお茶の値段は舌を巻くほど高く、多くの消費者を遠ざけていたため、静かな中庭には人があまりいなかった。

星河は額に手を当て、唇を上げて、彼女が問題を説明するのを興味深く聞いていた。

「ここに補助線を引いて、それから……」