鈴木瑠璃はぽかんとして、数日会わなかっただけで、この男の厚顔無恥さがますます増していることに驚いた。
あまりにも厚かましい!
「私は食べ——」
瑠璃が後の「ない」という言葉を言い終える前に、リンゴの一切れが彼女の口に直接押し込まれた。
「陸田子墨、あなたってそういう人なの!」瑠璃は彼の足を蹴った。
子墨は目を伏せて一瞥し、その眼差しは穏やかで温和で、怒る様子もなく、むしろ上機嫌でもう一切れ切り分けながら言った。「君に仕えるのは私の喜びだよ」
瑠璃:「これが仕えるって言うの?」
子墨の瞳には深い意味が満ちていた。「どうやって仕えて欲しいの?」
瑠璃:「……」
子墨というこの犬がまた不真面目になり始めた。
島井凛音は傍らで目を離さずに見ていた。彼は自分とボスの差がどこにあるのかを理解したようだった……
このままいると子墨がどんな調子に乗るか分からないので、瑠璃は朝食を食べに行くことにし、彼をそのままにしておくことにした。
小豆粥をすすりながら、瑠璃は何気なくスマホを手に取ってSNSをチェックした。次の瞬間、彼女はほとんど喉を詰まらせ、激しく咳き込んだ。
「ゴホゴホゴホ——陸田子墨!あなた少しは恥を知らないの?」
子墨はたった今、二つの投稿を連続で上げていた。
【小娘は本当に可愛いね】
【リンゴを食べるのに人に食べさせてもらわないと気が済まないなんて】
添付された写真は彼女の家のリビングで、瑠璃がキッチンのドアの前に立ち、部屋着を着た背中の半分だけが映っていた。左下のコーヒーテーブルには切り分けられたリンゴが一切れ置かれていた。
共通の友人の何人かがコメントしていた。
木村佑:嘘だね。
陸田謹言:???
陸田花子:私は何を見てるの!!お兄ちゃんが女神様にリンゴを剥いてあげてる!私には一度もしてくれなかったのに!弟が怒っちゃうよ![微笑][微笑]
瑠璃は花田さんが本当に清々しい存在だと思った。彼女の注目点は他の人とは全く違っていた。
空の茶碗を持ってキッチンに運んでいると、予想外にも陸田謹言から電話がかかってきた。
「何か用?」
「陸田子墨が君のところにいるの?」
瑠璃は面倒くさそうに「うん」と答えた。