少年特有の若々しい活気が鼻孔をくすぐり、鈴木瑠璃は抱きしめていた大きなクマのぬいぐるみをさらに強く抱きしめた。弟の好意を無下にしたくなくて、軽く唇の端を上げた。「好きよ」
小山星河の瞳は星のように輝き、目尻や眉の端まで隠しきれない喜びに満ちていた。
同じように端正な二人の若い男性が並んで立ち、遠くには墨絵のような山々と高い観覧車が見える。その美しい光景は見る者の心を和ませた。
陣内雪は胸がちくりと痛み、ピエロバギーのぬいぐるみを抱きながら屋台の前に立ち、小山星河と小山星野のどちらを羨むべきか分からなかった。
豪は顎をさすりながら言った。「ふむふむ...どう見ても、ちょっとホモくさいな」
利田均は小声でつぶやいた。「河さん、まさか本当に曲がっちゃったんじゃ...女の子を口説くテクニックを全部あいつに使ってるし!それにしても昨夜一体何があったんだ...」
大野輝は不満げに文句を言った。「あの星野ってやつ、マジで男女問わずモテるな。クールさは天下一品だし、見てよ、雪たちがメロメロじゃないか!あいつの苦手なものって何かあるのか?」
豪と均の視線が同時に50メートル先のジェットコースターに注がれた。
「あるかもな」
星野は度胸があり、お化けのような大玦山の従業員を見ても常に冷静沈着な様子だった。明らかに恐怖系のものでは動じない。
ほとんどの男子は多少の高所恐怖症があるらしい。朝からずっと一緒にいるが、星野がアトラクションに乗りたいと自ら提案するのを見たことがなかった。これだけ多くの遊具の中には、きっと彼が怖がるものがあるはずだ!
そこで、均は龍が蟠るように危険なジェットコースターを指さして誘った。「河さん、あれに乗ろうぜ!」
豪は「賛成賛成!」
輝も「俺も」
三人の女の子は躊躇いの表情を見せた。彼女たちはこんなにスリル満点のアトラクションには怖くて乗れないが、星河と星野が異議を唱えないのを見て、流れに身を任せるしかなかった。
スタートの合図が鳴り、星河は右隣の人を見た。
「怖い?めまいしない?」
「ちょっと...」瑠璃は正直に頷いた。
次の瞬間、手を握られていた。
少年の手が自然に彼女の手の甲に置かれ、彼女が逃げようと反応する前に、長い指が巧みに彼女の指と絡み合い、しっかりと握りしめていた。