第125章 再設計

皆の視線がニロに集まり、疑問を抱かずにはいられなかった。結果は既に出ているのに、このニロはまだ何を言おうとしているのだろうか？

「葉山社長、私は再設計による決着を求めます！」ニロは衝撃的な発言をした。その言葉は深海爆弾のように群衆の中で炸裂した。

再設計！

これはもう設計説明書でデザイン画の原作者を証明するのではなく、自分の実力で本当のデザイナーを決めるということだ！

どれだけ彼女たちの設計説明が詳細であっても、直接ペンを取って再設計する方が証明力は確実に高い。経験豊富なデザイナーなら、誰のスタイルがより近いか必ず見分けられるはずだ。

再度図面を描けば、ショーケースの宝飾品を誰が描いたのか判断できるのだ。

しかし永川安瑠の顔色は、ニロの言葉を聞いた瞬間、急に青ざめた。

彼女の黒白はっきりした瞳から不安の色が流れ出し、周囲の見物人を見回すと、心の動揺はますます大きくなった。

たくさんの人、たくさんの人が……

安瑠は力を込めて瞼を閉じ、白い歯で桜色の唇を強く噛んだ。力が強すぎて深い跡まで付き、美しくも残酷な光景だった。

葉山逸風はずっと安瑠を観察していたので、彼女の反応をすべて見逃さなかった。心に疑問が湧き上がる。以前から彼は疑問に思っていた、安瑠がなぜ再び設計をしようとしないのか。

彼は彼女の手が怪我をしたからだと信じていたが、今見るとそうではないようだ。

彼女には言い難い事情があり、再びペンを持てない苦衷があるのだ。

ニロは安瑠の青ざめた顔色を見て、心の中で得意になった。こんな風に彼女に負けさせようとしているのか？最後まで誰が負けるか分からないのに。

安瑠はペンを持てないし、持てたとしても手は震えている。そんな彼女がどうやって設計図を描けるというのか？

「もういい、事の真相は既に明らかになっている。再設計したところで何も証明できない」逸風はこの提案を却下し、優しい視線を安瑠の青白い小さな顔に向けた。心の中で何故か、痛みを感じた。

突然、彼女を抱きしめたいという衝動に駆られた。

おそらく先ほどまで自信に満ち溢れていた安瑠と今の姿のギャップが大きすぎて、逸風は見ていられなかったのだろう。

しかし、ニロがこの最後のチャンスを逃すだろうか？