永川安瑠は随分と我慢してから、ようやくこんな厚かましい言葉を絞り出した。最後には顔が赤くなるどころか、つるりとした額に汗が滲んでいた。恥ずかしさからではなく、全て生理のせいだった!
精力無限、一晩に七回?
武内衍は薄い唇を引き締め、安瑠の恥ずかしさか緊張からか赤くなった小さな顔を見つめ、ふと笑った。
その笑顔は、まるで無数の花火が一斉に咲き誇るように、眩しく輝いていた。
「衍、トイレに行きたいんだけど、信じる?このままだとあなたのベッドの上で解決することになるわよ?」安瑠はもう泣きそうだった。生理がどんどん激しくなってくるのを感じ、しかも衍が彼女の上に乗ったままで、本当に死にそうだった。
衍は深刻な潔癖症を持っていたので、安瑠のまったく品のない言葉を聞いた途端、額に黒い線が走り、ゆっくりと体を起こして彼女から離れた。
安瑠はためらうことなくバスルームへと走り去った。その姿は、まるで背後に何か恐ろしいものに追われているかのようだった。
彼女は今日、濃い色のドレスを着ていたので、跡は見えなかった。しかし衍が振り返ってベッドの上に咲いた一輪の紅梅を見たとき、薄い唇がわずかに引きつった。
階下の五丁さんに電話をかけ、使用人にベッドの物を全て新しいものに交換させると、衍の心の中の怒りがようやく和らいだ。
彼はウォークインクローゼットに向かい、クローゼットの下の引き出しを開けて、最近用意していた生理用ナプキンの包みと、きれいな服を取り出し、バスルームのドアの前に行ってノックした。「安瑠?ドアを開けて」
安瑠は知らないだろうが、この六年間、彼の全ての習慣は彼女がまだいた頃と全く同じで、一度も変わったことがなかった。
例えば、彼女のために定期的に生理用ナプキンを用意していたこと。たとえ誰も使わなくても。
例えば、クローゼットにはいつもADIの限定ファッションが用意されていたこと。たとえ誰も着なくても。
例えば、この部屋の配置やスタイルが、六年前に安瑠が去った時と全く同じであること。
安瑠は顔を赤くしながら中で焦っていたが、衍の声を聞くと、数秒ためらってから尋ねた。「何?」
「まずドアを開けて」衍の顔に一瞬の居心地の悪さが過ぎり、耳の根元に薄い赤みが浮かんだが、注意深く見なければ気づかないほどだった。