第131章 愛人契約の確定(二回目)

春野鈴音はバスローブを握りしめ、指に少し力を入れていた。

本当に緊張していた。

彼女は目の前の木村冬真を見つめていた。

まさか、こんな日が来るなんて思ってもみなかった。彼らがこのような関係になるなんて。

夢にも思わなかった。

「冬真、できれば...先に振り込んでもらえない?」鈴音は尋ねた。

冬真はその瞬間、思わず笑い声を漏らした。

鈴音は目を伏せ、小さな声で言った。「終わった後でも構わないけど。」

そう言いながら、バスローブを脱ごうとした。

「君はいくらの価値があると思う?」冬真は尋ねた。

鈴音は彼を見つめた。

「値段を言ってみろよ。」

「あの...100万円じゃないの?」鈴音は彼に尋ねた。

冬真は笑った。

軽い笑みだったが、それはまるでナイフのように鈴音の体を切り裂いた。

彼は言った。「本当に自分が黄金でできていると思っているのか?」

「じゃあ、いくらなの?」鈴音は彼を見つめた。

「わからないな。」冬真は言った。「急に、お前に触れるのも汚らわしく感じてきた。」

鈴音の胸が少し痛んだ。

やはり冬真の嫌悪感に、少し傷ついてしまう。

彼女は説明した。「実は私、他の人とは...」

「今夜の君の出来次第だな。」冬真は言った。「もし本当にテクニックがよければ、適当に考慮してやる。」

「じゃあ、先に...50万円くれない?」鈴音は勇気を出して言った。

冬真は冷たい目で彼女を見つめた。

本当に、鈴音の厚かましさにはあきれた。

「この50万円で、いつまでも構わないから。」鈴音はさらに付け加えた。「これからはお金を求めないから。」

「お金がそんなに大事なのか?」冬真は冷たく尋ねた。

「うん、私にとってはとても重要。」鈴音は正直に答えた。

「口座番号を教えろ。」

鈴音は一瞬驚いた。

冬真が突然承諾するとは思っていなかった。

「俺の忍耐力は限られている。」冬真は促した。

鈴音は急いで自分の銀行口座番号を伝えた。

言い終わるとすぐに。

携帯のメッセージ通知音が鳴った。

50万円が振り込まれていた。

初めて気づいた、お金を稼ぐのはこんなに簡単なんだと。

「これでいいか?」冬真は彼女に尋ねた。

鈴音は急いで頷いた。

彼女は携帯を置き、服を脱ごうとした。

少し躊躇して、「電気を消してもらえる?」