第149章 藤原一族の宴会(6)争い(一更)

スタッフは自分が公開した写真に驚愕した。

まさかこんなプライバシー暴露になるとは思ってもみなかった!

深谷千早はまだ新人だからいいとして、明石和祺は藤原宴司の側近中の側近だ。八尾麗奈はよくもまあ、彼のスキャンダルまで暴露する度胸があるものだ。

今頃どこに行ったのだろう?!

スタッフは考えれば考えるほど恐ろしくなり、全身が震えていた。

彼は密かに最悪の事態を覚悟していた!

一方、八尾麗奈は少しの不安も感じておらず、復讐の快感に浸っていた。深谷千早がステージ上で狼狽し、困惑している姿を見て、言葉にできないほどの快感を覚えていた!

彼女は千早をステージから降りられなくし、この日を一生の暗い影にしてやりたかった。

私と争うなんて、千早は何様のつもりだ!

麗奈は思わず白井香織の方を見た。

香織は藤原宴司の隣に座っていたが、この角度からははっきりと見えなかった。

でも彼女は香織がきっと満足しているだろうと思った。

彼女が満足すれば。

もし本当に追及されることになっても、香織が藤原宴司の前で彼女のために一言二言良い言葉を言えば、この件はうやむやになるだろう。

しかし彼女には、今の香織の表情がどれほど険しいものか想像もつかなかった。

宴司の隣に座っている香織は、彼の怒りを完全に感じ取っていた。

彼女はもちろん、千早が誰と関係を持とうとも、和祺とは絶対に何も起こりえないことをよく知っていた。和祺と宴司の関係は彼女が一番よく知っており、和祺は決して宴司を裏切らないだろう。

香織は怒りを抑えていた。

さっき麗奈に何をするつもりか聞いておくべきだった!

こんな低レベルな手段、よくも思いついたものだ!

まったくの愚か者!

香織はこっそり宴司を見て、それからステージ上の千早に視線を移した。

あまりにも突然のことだったのか、司会者もまだ場を取り繕おうとせず、おそらく指示を待っていて、軽々しく発言できないでいた。

会場の藤原グループの社員たちは皆、議論を交わしていた。

時折、疑問の声も混じっていた。

千早は冷静だった。

彼女はステージに立ち、孤立無援ではあったが、少しも慌てる様子はなかった。

ただ静かに客席の全員を見つめていた。

司会者の指示を待っているようだった。

むしろ小林温子の方が落ち着かない様子だった。

くそっ。