第150章 藤原一族の宴会(7)潔白を証明する(二更)

藤原正陽が深谷千早の件について直接応答しなかったのは、彼らの選択を尊重するためでもあった。

かつて藤原宴司と深谷千早が結婚した時、二人は結婚を公表しないことを決めており、彼と小林百合もそれに反対しなかった。今この時点で、たとえ今回の出来事が会社に一定の影響を与えるとしても、彼らの関係を明かすことはできない。約束したことは守らなければならないのだ。

これが彼の人としての原則だった!

藤原正陽だけでなく、彼の隣に座っている小林百合も心中では極度に不快感を抱いていた。彼女はずっと宴司が何か対応をするのを待っていたが、今になっても彼が自分の妻を守るために壇上に上がる様子はない。これでは長年二人の関係が冷え切ったままなのも無理はない。彼女なら、とっくにこんな男を蹴飛ばしているだろう。

彼女はもはや宴司が自分の息子だと認めたくないほどだった。

百合は舞台上で依然として落ち着いた態度を保つ千早を見て、小さくため息をついた。

やはり、女は自分の力で立たなければならない。

男というのは本当に役立たずだ。

彼女は隣の正陽に軽く触れ、応答するよう促した。

正陽は頷いた。「もちろん」

決定権は彼ら自身の手にある。

彼は干渉しない。

千早は軽く頭を下げた。「ありがとうございます」

そして会場の全員に向かって言った。「まず、藤原グループがこのような栄誉を与えてくださったことに感謝します。皆さんと同様、私も驚き、光栄に思っています。しかし、会社がこのような特別な栄誉を与えてくださったからには、私もこの賞を受け取る自信があります。少なくとも私が働いてきたこの3ヶ月間、会社のために100%努力してきました。私が会社にもたらした利益は、皆さんの目に明らかです。ですから、堂々とこの賞を受け取ることができます」

「次に、先ほど起きた予期せぬ出来事について…」千早は少し間を置き、視線を八尾麗奈に向けた。

麗奈は目を泳がせ、明らかに千早と視線を合わせる勇気がなかった。

彼女はこんなに恥をかいた千早がまだ舞台の上で話す勇気があるとは思っていなかった。誰だって、恥ずかしくて地面に穴があれば入りたいと思うはずだ。とっくに降りるべきなのに、まだ厚かましく立っていて、自分にはこの賞を受ける資格があると言い張るなんて!

本当に厚かましい!