「ふん、一晩中役について話し合っていたって?」可美の視線が、テレビの中で堂々と嘘をついている優雅な男性に軽く流れた。
朝のトップニュースは、星野グループ社長が新人女優の葉田初陽とホテルの部屋で「華麗なる歳月」の役について話し合っていたというものだった。
ドアが開いた瞬間、初陽はシーツに包まれて恥ずかしそうに応え、星野社長は冷たい表情でジャケットを脱いで彼女の華奢な体を包み込んだ。
これらの一連の映像が、テレビで何度も何度も放送されていた。
初陽と星野寒のスキャンダルは、すでに涼城中で大騒ぎになっていた。
「男女二人が、布団をかぶって純粋におしゃべりだけ?」彼女は小さく笑いながら視線を外し、顔を上げて少し離れたところでうつむいてスマホをいじっている初陽を見た。
初陽は顔を上げ、テレビを一瞥した。
「ああ、そうよ」
「誰が信じるの?あなたと彼の関係は、私が一番よく知ってるわ。初陽、どうするつもり?」可美はソファに半分埋もれながら、瞳に輝く光を宿し、好奇心いっぱいに尋ねた。
夕日の光が床から天井までの窓から差し込み、ゆっくりと初陽の体に降り注いでいた。彼女は別のソファに座り込み、夕焼けの光が彼女の上に降り注ぎ、まるで光の後光を纏ったかのように美しく穏やかで、時が静かに流れるような雰囲気を醸し出していた。
彼女は軽く唇を曲げ、淡く微笑んだ。「私の計画は、星野寒の名声を借りて、自分を売り出すことよ。ほら、私はさっきウェイボーを認証したばかりだけど、今朝のトップニュースのおかげで、私のフォロワー数はぐんぐん増えてるわ。もう10万人が私をフォローしてる。本当に、この星野寒の人気はすごいわね…」
可美は目を白黒させ、起き上がって、一気に初陽に飛びついた。
「あなた、本当に腹黒いわね。星野寒の報復が怖くないの?私が知る限り、彼はこれまでスキャンダルのトップニュースに載ったことなんてないわ。エンタメニュースなんて以前は彼とは全く無縁だったのに、本当に彼の人気にあやかるつもり?」
「でも不思議ね、今回のニュースは星野家に圧力をかけられなかったみたい…」
「彼が何をたくらんでいるのか、誰にもわからないわ」