村田城は初陽の暗示を受け取り、こっそりとOKのジェスチャーをした。
「俺はもう降りるよ、手札最悪だし……」
彼は手札を投げ出し、すぐに降参した。
復讐に燃える黒川源は、これに不満そうな顔をした。
「村田、てめぇ、またハメやがったな?今回は絶対に最後までやり通すからな……」源は歯を食いしばって怒鳴った。
城はくすくす笑った。兄弟よ、待っていたのはまさにその「最後までやり通す」という言葉だ。
……
20分後、泥酔して倒れている源をちらりと見て、初陽の胸に溜まっていた怒りは完全に晴れた。
眉を軽く上げ、彼女はゆっくりと立ち上がり、向かいのソファで居眠りしている城を見た。
ハイヒールで彼の足元まで歩み寄り、強く二回蹴った。
「村田城、起きなさい……」
城は用心深く、すぐにぱっと立ち上がった。
「姉さん、何かご用ですか?」
「行って……源のために美女を三人呼んで、ついでに部屋も取っておいて。彼はとても博愛精神に溢れているんでしょう?今夜は、思う存分博愛させてあげるわ……」初陽は唇を曲げ、瞳に光を宿し、小声で笑った。
城は一気に眠気が覚め、不安そうに初陽を見つめ、彼女の意地悪な笑みを見て、思わず体が小刻みに震えた。
「姉さん、これは……」
彼は少し困った様子だった。結局は兄弟だし、もし彼がもう少し止めなければ、万が一何か起きたら、源が目を覚ました時に絶交されるのは間違いない。
初陽はプッと吹き出し、唇を押さえて小さく笑い始めた。
「ふふ……いいわよ、村田さんをこれ以上困らせるつもりはないわ。言い忘れていたことがあるの。さっき源が飲んでいたお酒に、こっそり何かを入れておいたの。あれはかなり効くのよ。何人かの美女に世話してもらわないと、あなたの親友が欲火に焼かれることになるわよ……」
城は背中に冷や汗が流れるのを感じた。これは源を完全に潰すつもりだ。
源は何杯か白酒を飲んだが、もし各杯に薬が入っていたら、欲火で死ぬか、精を使い果たして死ぬかだ。
小さく息を飲み、初陽の腹黒さと冷酷さに対する認識がさらに深まった。
もう躊躇している場合ではない。明日にでも山に登って、線香をあげ、仏様にお願いしよう。この災いの星が二度と彼を訪ねてこないように。
数日も経たないうちに、もう二回も会っているし、しかも毎回ろくなことがない。