木村伊夜、君が恋しい

「ケチケチケチ!」

木村伊夜は小さな足をバタバタさせながら、宵月司星の腕の中でもがいていたが、その顔は花のように笑みに溢れ、とても愛らしい様子だった。

司星は足を上げて、人を誘惑するようなおとなしくない長い脚を押さえつけ、そのまま彼女をぎゅっと抱き寄せた。「まだアイスが食べたいのか、ん?」

少女はハッとして、大きな瞳をパチパチさせた。

彼女は何か不吉な予感がして、直感的にこの男はそう簡単には言うことを聞かないだろうと思った!

「んっ……」

案の定、次の瞬間、彼女の唇は塞がれ、男の舌が器用に彼女の歯を開かせ、口内に滑り込んできた。

彼の舌先に残っていたチョコレートの香りが、彼女の口の中に広がった。「んんっ……」

大変態、このスケベ。

こんな言い訳で彼女を寝かせようとするなんて。

伊夜は納得がいかず、突然力を入れて体を翻し、司星を押し倒して彼の腰に跨った。「寝かせないわよ!」

今日はエッチしたくない。

天使の瞳はエネルギー補充が必要ないのだ。

もちろん司星は彼女の内心を知らなかった。もし知っていたら、異能空間の存在に血を吐くほど怒るだろう。

彼の妻が彼と寝るのは、ただエネルギーを補充するためだなんて。

「星夏……」司星は両腕を伊夜の腰に回し、細長い鳳眼を少し上げ、魅惑的な声で呼びかけた。

伊夜はゴクリと唾を飲み込んだ。「な、なに?」

誘惑しようとしても無駄よ……絶対に応じないんだから!

「君が欲しい」司星は突然体を起こし、伊夜を再び押し倒して、彼女の耳たぶを軽く噛んだ。

伊夜は体の横がしびれるような感覚に襲われた。

微弱な電流が耳たぶから首筋、腰のラインを伝って股間や長い脚にまで広がっていくようだった。

体の大半が柔らかくなり、「んっ、あなたなんかと寝たくないわ」

この人、こんなに欲望に弱いのはダメだわ。もし私がいなくなったら……欲求不満で死んじゃうんじゃない?

ダメダメ、それは適切じゃない。

「司星、ちょっと相談があるの」伊夜は自分の服を脱がそうとする司星の手を掴んだ。

彼は眉をひそめた。「後にしよう」

今は、何事も妻と寝ることの邪魔はさせない。

「ダメ、今すぐ相談するの」伊夜は首を振り、すばやく司星の体の下から抜け出した。