玄玄道姑の女弟子は今、あまりにも多くの記憶を失ったため、全体的にぼんやりとした様子になっていた……もともとぼんやりしていたのだが。
「その神秘島は本当に不可思議だな。お二人はご心配なく、私の弟子が法宝と器具を持ってきたら、もう一度しっかりと検査させていただきます」薬師はそう相手を慰めるしかなかった。
今は、神秘島での記憶喪失が修士たちに他の影響を及ぼさないことを願うばかりだ。
目の前のこの玄玄道姑と昆夷道長は、どちらも五品の霊皇級の修士で、金丹を凝縮させた存在だ。古い門派ではこの境界を「金丹真人」と呼び、最初の金丹真人は門派の実権を持つ長老級の人物なのだ!
神にも悪魔にも気付かれることなく、二人の五品霊皇の記憶を消し去るなど、容易なことではない。
神秘島のいたるところに存在する大規模な幻術の陣法が二人の道友の記憶に影響を与えたのか?それとも直接神秘島の妖獣に脳の記憶領域を破壊されたのか?
失念という病は治療が非常に困難で、特に修士の失念は、薬師でさえもこの数人の道友の記憶を回復させる確信が持てなかった。
そして……もし単なる事故による失念ならまだましだが;心配なのは、この二人の道友が神秘島で見てはいけないものを見てしまい、島の強大な存在に手を加えられ、記憶を封印されてしまったのではないかということだ。そうなると、記憶の回復は非常に困難になる。
薬師は今、できる限りのことをするしかなかった。
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江南大学都市の食堂。
李陽徳は力なく米を口に運んでいた。朝の百メートル走の競技で体力と精神エネルギーの両方を使い果たし、今でもまだ回復していない。特に精神エネルギーの消耗が激しかった!
土波は食事をしながら、必死に携帯電話を操作していた。どんな遊戯をしているのかは分からない。
高某某については、諸葛忠陽に連れて行かれてから、今でも戻ってきていない。彼の話では、諸葛忠陽のために先に住む場所を探し、それから諸葛忠陽の数人の「婚約者候補」と一人ずつ会う計画を立てるとのことだった。これは長期的な計画が必要な事で、高某某は間違いなく今後数日間は諸葛忠陽のこの厄介事に縛られて、身動きが取れなくなるだろう。
「そうだ土波、陽徳、二人とも私と一緒に運転免許を取りに行かない?」宋書航はふと尋ねた。