寧軽雪の第二印象

葉黙は疲れ果てていたため、雲氷が一度目を覚ましたことにも気付かず、手当たり次第にシーツを取って雲氷の体にかけ、「今日は君の運がよかったな。普段の君の態度なら助けたくもなかったが、今日はたまたま機嫌がよかったからな」と独り言を言った。

そう言うと葉黙は部屋のドアを閉め、外にいる鄭文喬と中年男性を再び引っ張り上げ、堂々とドアを開けて出て行った。

鄭文喬と中年男性の服を剥ぎ取り、二人を痛めつけた後、足で二人の下半身を蹴り潰した。その後、彼は二人を車の後部座席に重ねて放り込み、車を出した。センチュリー広場まで着くと、彼はわざと目立つ場所を選んで車を停め、立ち去る前には車の窓も全部開けておくことにした。

……

葉黙は一日中も帰ってないから、寧軽雪は中庭で不安そうに待っている。今日は婚姻届を出すはずだったのに、葉黙はまだ戻ってこず、自分との約束を忘れてしまったようだ。

許薇は今朝、寧軽雪と会った時は少し気まずそうだった。寧軽雪のような美しい女性を葉黙がどうやって知り合ったのか、そして彼女はどう考えているのかも不思議だった。葉黙のような貧しい男と結婚前から同棲するなんて、人は見かけによらないものだとも思った。許薇が知っている葉黙は、一応優秀な人だが、寧軽雪はそんな彼よりも優れすぎているように思えた。

寧軽雪も許薇と似たようなことを考えている。なぜ許薇が葉黙と一緒にいるのか、しかも葉黙には人に言えない病気があるようだと思っていた。もちろんそんなことは口に出せず、二人とも自分の考えが正しいと思い込んでいた。

許薇が出勤に出かけると、寧軽雪は一人だけ、この見知らぬ中庭に残されたが、意外と居心地が悪くなった。しかし長い間待っても葉黙は戻ってこなかった。葉黙の庭には花や草が植えられているのを見て、最初は許薇がやったのかと思ったが、植えられている場所は葉黙の部屋の方が近いと気付いた。

寧軽雪はその花や草を観察してみた。その中に銀色の葉を持つ草があり、植えた人にかなり大切にされているようで、周りには他の花や草はなく、広い場所を独り占めしているようだ。