第36章 兄貴、時代は変わった!

楚語琴は煙雨閣の殺し屋たちを片付けた後、王傾辭と一緒に練武場へ向かった。

王傾辭は、なぜこのタイミングで楚語琴が北王様から離れることができるのか不思議に思った。北王様にある程度の実力があることは知っていたが、血月樓からは多くの九級武士が来ており、さらに半歩宗師もいるのだ。

楚語琴は本当に辰ちゃんが殺されることを心配していないのだろうか?

それとも楚語琴からすれば、路辰には血月樓の殺し屋たちを完全に処理する能力があると考えているのだろうか?

北王府の実力はそこまで強くなっているのか?

王傾辭が疑問でいっぱいの中、彼女たちは王府の練武場に到着し、練武場で包囲された血月樓の一行を目にして、王傾辭はその場で呆然となった。

練武場には死体が散乱していたが、それらはすべて血月樓の殺し屋たちのものだった。

血月樓の生存者は二人の九級と血月樓の副館主である劉遠だけだった。

しかし、彼ら三人の状態は非常に悪かった。

三人とも全身血まみれで、生き残った二人の九級武士は明らかに重傷を負っており、早急な治療がなければ死も近いと思われた。

こんなに短時間で。

北王府の兵士たちは血月樓から派遣された暗殺者たちを一網打尽にしたというのか?

王傾辭は夢を見ているような気分だった。

北王府にある程度の実力があることは知っていたが、こんなに短時間で血月樓の暗殺者たちを片付けられるとは全く予想していなかった。

五人もの九級だぞ!

しかも半歩宗師まで!

たとえ北王府に宗師境界の強者がいたとしても、一刻も経たないうちにこれほどの人数を片付けられるはずがない。

北王府はどうやってこれを成し遂げたのか?

王傾辭は遠くから練武場に向かってくる路辰の方を振り向いた。

北王府がどうやってこれを成し遂げたのか知るには、おそらく後で直接北王様に尋ねるしかないだろう。

この時、劉遠は剣を地面に突き刺して、傷だらけの体を支えながら、北王様が群衆の中からゆっくりと歩み出てくるのを見て、歯を食いしばりながら冷笑して言った。「北王様、まさかあなたが最も深く隠れていた存在だとは思いもよりませんでした!」

「どうやら天下の人々は皆、あなたに騙されていたようですね!」

この時の劉遠には先ほどまでの鋭さはなく、わずかな時間で連れてきた部下たちはほぼ全滅し、重傷を負った三人だけが残されていた。