第35章　仙人！北王府に仙人がいる！

劉遠の号令一下、血月樓の者たちは直ちに北王府に押し入った。

血月樓の者たちが練武場に到着した時、空から無数の矢が降り注いだ。

その時、誰かが大声で叫んだ。「樓主様！罠にはまりました！」

空からの矢の雨を見て、劉遠は少しも動揺せず、ただ冷ややかに鼻を鳴らして言った。「死に際の足掻きに過ぎん！」

九級武士は矢の雨程度では殺せないものだ。まして彼は半歩宗師で、すでに內力を放出できる境地に達していた。

この程度の矢の雨など彼に当たるはずもなく、たとえ当たったとしても何の傷も負わせることはできない。

彼の目には、この種の伏兵による奇襲など取るに足らない小細工に過ぎなかった。

劉遠はすぐさま言った。「すぐに私の近くに集まれ！」

その言葉を聞くと、血月樓の者たちは急いで背中合わせになり、手にした剣を振り回して空から降り注ぐ矢の雨を防いだ。

この光景を目にした路辰は呆然とした。

くそ、これが武道の存在する世界なのか？前回北郡に来た時は、馬車の中にいたため、自分の親衛が矢の雨を防ぐ様子を見ることはなかった。

今日のこの光景は彼に非常な衝撃を与えた。

盾も使わずに、ただ手にした剣だけで、あの大量の矢の雨を防ぐことができるとは？

確かに完全には防ぎきれず、射殺された者もいたが、血月樓の大半の者たちは生き残った。

今日のこの光景は、路辰にシステムから与えられた破片手榴弾がいかに重要であるかを実感させた。

もし手榴弾がなければ、おそらく王府のこの程度の人数では、血月樓の暗殺者たちを倒すことはできなかっただろう。

この時、路辰は少し安堵感を覚えた。幸いにもシステムが新人特典パックの中に、手榴弾という現代の殺傷兵器を入れてくれていた。

王府の兵士たちが用意した矢が撃ち尽くされると、劉遠は遠くの屋根を見て嘲笑うように言った。「この程度の矢で我々を射殺しようとは？北王様は少々天真爛漫すぎるのではないか！」

路辰は劉遠と言葉を交わす気など全くなく、直接李峰たちに言った。「奴らの相手など構うな、すぐに手榴弾を投げろ。安全ピンを抜いたら三呼吸待て！」

この言葉を聞くと、李峰たちは急いで懐から手榴弾を取り出した。

この時、手榴弾を持った兵士たちの体は思わず震えていた。彼らはこの殺傷兵器の威力を目の当たりにしていたからだ。