第80章:野菜売り1 (新年おめでとう!)

「おばさん、このトマトはいくらですか?買いたいんですけど」

試食した人は、すぐにトマトを買いたくなった。炒めなくても、生で果物として食べても美味しい。

「一個200円です!」

「え?200円?」誰かが自分の耳を疑った。「おばさん、間違えてませんか?1キロ200円じゃないんですか?」

「一個200円です。私の車の野菜は、ほうれん草と唐辛子以外は全部個数売りです」鈴木花和は真剣に言った。「なすびは一本200円、白菜は一玉1500円、ほうれん草は1キロ1500円、唐辛子は1キロ2000円です」

多くの人は、このトマトが一個200円と聞いて、ためらってしまった。

市場のトマトは1キロ100円なのに、ここでは一個200円。なすびは1キロ60円なのに、ここでは一本200円。白菜とほうれん草に至っては、とんでもない値段で、少し高すぎる気がした。

しかし、試食した人たちの中には、この味なら値段相応だと感じる人もいた。

例えばあのおばさんは、一切れ食べた後すぐに言った。「じゃあ、トマト10個と、白菜1玉と、なすび3本、それから唐辛子を500グラムください」美味しい物は、高くても買って食べたいものだ。

鈴木のお母さんはそれを聞いて、すぐに手際よくおばさんの注文した野菜を用意した。

鈴木のお母さんは袋を渡しながら笑顔で言った。「お姉さん、合計5100円ですが、5000円でいいですよ。これからもよろしくお願いしますね」

おばさんも気さくな性格で、大笑いしながら言った。「ええ、あなたの野菜が本当に美味しくて自然なものなら、これからもここで買い物させてもらいますよ」

「ご安心ください。うちの野菜は絶対に自然で美味しいものですから」鈴木のお母さんは笑顔で答えた。

このおばさんが買った後、続々と他の人も買い始めたが、野菜が高価なため、みんなそれほど多くは買わなかった。

しかし、ほとんどの人が試食したトマトを5個や10個単位で買っていき、あっという間に100個以上あったトマトは半分以上なくなり、50~60個しか残らなかった。

他の野菜も付随的に、なすびが50本、白菜が10玉、ほうれん草が8キロ、唐辛子が4キロ売れた。

最初から人だかりができていたため、通りがかりの客も、この賑わいを見て少しずつ集まってきた。