第311章：折田辻司は激怒し、その結果は深刻（2）

ベルが鳴った！

広瀬輝は見ると、見知らぬ番号からの電話だった。眉をひそめ、不機嫌そうに、すぐに切ってしまった。

折田辻司は切られた電話を見て、顔が曇り、イライラが込み上げてきた。ハンドルを強く叩き、怒鳴った。「広瀬輝、てめえ」

そして、もう一度かけ直した。

また切られた。

さらにもう一度かけた。

今度は着信拒否された。

折田辻司は一気に広瀬輝への嫌悪感が湧いてきた。

すぐに田野秘書に電話をかけ、指示した。「会社の名義で広瀬輝に電話をかけろ！」

田野秘書は困惑した表情を浮かべたが、折田辻司の指示に従い、折田グループの名義で広瀬輝に電話をかけた。

広瀬輝は折田グループの折田辻司の秘書からの電話だと聞いて、すぐに光栄に感じた。

すぐに取り入るように笑いながら言った。「田野秘書、こんにちは、こんにちは！」

折田辻司の秘書が何の用件で電話してきたのかは分からなかったが、折田グループとつながりができれば、自分の会社はさらに発展するだろう。

だから、田野秘書に取り入る必要があった。

田野秘書はこのような取り入り方にはもう慣れっこだった。

彼は直接本題に入った。「広瀬会長、我が社の会長からお電話があったと思いますが、お受け取りになりましたか？」

「折田会長から電話が？受けていません...」広瀬輝は受けていないと言いかけたが、さっき自分が切って着信拒否した番号のことを思い出し、額に冷や汗が浮かんだ。

すぐに言い直した。「今すぐ折田会長にお返事させていただきます。」

そう言いながら、慎重に探りを入れた。「田野秘書、折田会長が私に何のご用件かご存知ですか？」

田野秘書は目を回しながら言った。「広瀬会長、上司の考えは私にも分かりかねます。」

そう言って電話を切り、受話器を見ながら軽蔑した口調で言った。「ふん、何のためって？会長の女に手を出したから、今から決着をつけに行くんだよ。」

広瀬輝は切られた電話を見つめながら、突然不安になってきた。

田野秘書の態度から見ると、折田辻司が自分を呼び出す理由は良いことではなさそうだった。

もし良いことなら、田野秘書はもっと友好的な態度を示したはずだ。

広瀬輝はあれこれ考えたが、どこで折田辻司の機嫌を損ねたのか思い当たらなかった。

ビジネス界での折田辻司の評判を思い出すと、さらに不安になった。