第312章:ボディーガード隊長の凄み(3更)

林正彰は広瀬輝の言葉を聞いて、非常に不愉快になった。しかし、さらに不愉快だったのは、この広瀬輝が彼の力を借りて折田辻司に圧力をかけようとする突拍子もない考えを持っていたことだった。

このバカ者!

林正彰は心の中で罵った。「折田辻司という人物は、慎重に敬意を払って接するべき人物なのに、どうして簡単に彼を怒らせることができると思うんだ。」

林正彰はイライラしながら直接言った。「彼が引け、と言うなら引けばいい。もし本当に二番目の草刈輝岩になりたいなら、私が警告しなかったとは言わせないぞ。それと、今後このことで私に電話をかけてくるな。」

明らかに、広瀬輝はすでに折田辻司の怒りを買っていた。

彼とは関係を断ち切った方がいい。

広瀬輝は林正彰の言葉を聞き、相手が断固として電話を切ったのを見て、呆然と立ち尽くし、顔は真っ青になり、体は震えていた。

彼は突然何かを思い出したかのように、震える手で電話をかけた。相手が電話に出ると、すぐに恐怖に駆られて大声で言った。「武田尊、みんなを引き上げろ、急いでみんなを引き上げろ。」

しかし、電話からは見知らぬ声が聞こえてきた。「ああ、あなたが言っているこの携帯電話の持ち主は、交通事故に遭って、すでに病院に運ばれています。」

「あ...あなたは誰ですか?」広瀬輝は恐怖で震えながら尋ねた。

「ああ、私は警察署の者です。」相手は言った。「あなたはこの携帯電話の持ち主とよく知り合いですか?この交通事故は大きな事故で、彼は重傷を負っています。安則郡立病院に彼のご家族に連絡していただけませんか?」

「ガチャン!」

広瀬輝の携帯電話が手から滑り落ちた。

交通事故?

重傷?

どうしてこんなに偶然なことが?

広瀬輝は顔面蒼白になり、恐怖で地面に崩れ落ちた。

彼は今やっと理解した。あの金の卵を産む鶏は、そう簡単には盗めないということを!

今は何もしていないのに、こんなにたくさんのことが起きている。

これからどうすればいい?

どうすれば?

いけない、すべてを止めなければ。

武田尊に全権を委任したとはいえ、彼はまだ会社の社員も何人か連れて行っている。

立ち退き部隊も、すべて自分の会社の人間だ。

人を探さなければ、急いで人を探して、すぐにすべての行動を止めさせなければ。