037 宝物

佐々木和利は会議を終えたばかりの時、祖父からの電話を受けた。佐々木宗は興奮して叫んだ。「和利、和利!」

和利は携帯を耳から少し離し、眉をひそめて「おじいちゃん」と答えた。

佐々木宗は相変わらずの大声で「裕子がSNSを更新したぞ!三枚の絵をアップロードしたんだ!なんと二見奈津子の映画の宣伝用だって!奈津子の三作目の映画が始まるのか?」

「まさか裕子も奈津子のファンだったとは!奈津子は本当にすごいな!帰ったら奈津子の映画を全部見直すぞ。私の憧れの人が好きな映画なんだから、間違いないはずだ!」

「奈津子に手伝いが必要かどうか聞いてみなかったのか?ああ、二見家は本当に幸運だな。見つかった娘がこんなに優秀に育ったなんて!和利、私、奈津子に会いたいんだが、お前の彼女選びに影響しないかな?」