外に出ると、佐々木理恵はすぐに坂元慶子に電話をかけ、先ほどの出来事を詳しく話した。最後に軽蔑した口調で言った。「ママ、あの人たちはひどすぎるわ。こんなにも露骨に兄さんを利用するなんて!彼女たちの目には兄嫁の存在なんて全くないのよ。二見家のおばさんがどうしてこんなに分かっていないのか理解できないわ!奈津子は彼女の実の娘なのに!」
坂元慶子はそれを聞いて、怒りを覚えた。「私たちは最初から二見華子の計算高さが気に入らなかったのよ。二見家の両親も分別がつかないから、なかなか結婚を認めなかったのよ。確かに両家のおじいさまには親交があるけど、和利の一生の幸せを賭けるわけにはいかないでしょう!」
「でも良かったわ、奈津子がいてくれて。本当に私たち家族の幸せよ。おじいさまが喜んでいるのを見てごらんなさい。この件は彼の心の中の大きな重荷だったのよ。今、和利と奈津子が一緒にいるのを見て、やっと安心されたわ。」