053 区別

二見和利は口を開きかけ、つぶやいた。「でも華子は、小さい頃から私たちの家で育ち、実の子供と変わりないのに…」

佐々木和利は冷笑した。「違いはあるさ!お前たちは華子を実の子のように扱ったが、奈津子に対しては、一度も受け入れようとしなかった。そうであれば、彼女が家を出る時に署名した協定通り、関係を断ち切ろう!これ以上、彼女の名を借りて佐々木家と親戚づきあいをするのはやめろ!二見家の面子を保つためにも、私に軽蔑されないようにな!」

二見和利の顔が、思わず赤くなった。

佐々木和利は秘書呼び出しボタンを押し、秘書がドアを開けて入ってきた。佐々木和利は冷たい声で言った。「お客様をお送りして」

秘書は前に進み、丁寧に二見和利に言った。「二見さん、どうぞこちらへ」

二見和利は何か言いたそうだったが、何を言えばいいのか分からなかった。