感心はしたものの、井上は強調した。「今回は本気なんだ。両親も賛成してくれたし、好きな人なら家柄とか関係ないって。どうせ兄貴がいるから、兄貴が釣り合いのいい相手と結婚すればいいんだ。万が一のために、僕も先手を打って、早めに運命の人を見つけなきゃ。そうすれば、プレッシャーは兄貴の方にかかるしね」
佐々木和利は思わず彼を蹴った。こいつ、空気読めないな!これ以上続けば、もう助け舟を出すのはやめようと思った。
井上は不機嫌そうに黙り込んだ。
橋本は笑いながら言った。「和利、この前、君と幼なじみの人が空港でトラブルがあったって聞いたけど?」
佐々木和利は眉をひそめた。
橋本は彼の背中を叩いた。「心配するな。長谷川がきれいに処理したから、情報は一切漏れてないよ。たまたまその日雇われていたメディアの記者が、スクープを逃して嫌な思いをしたって愚痴ってるのを聞いただけさ。君の幼なじみ、やり方があまりよくないね!」