112 脚本

佐々木敬もしばらくテレビを見ていて、心配そうに二見奈津子に尋ねた。「あの女の子、これからあなたたちに影響はないの?彼女がこんな騒ぎを起こしたら、芸能界にはもう居られないでしょうね。」

二見奈津子は頷き、少し重々しく言った。「藤原美月から聞いたんだけど、彼女のマネージャーの博之ちゃんは、この件を全て公表すれば追及しないって言ったそうよ。博之ちゃんは巨額の賠償金を抱えることになるけど、高橋真理子にはお金も返済能力もないから、全て博之ちゃんが負担することになるわ。高橋真理子は一時の迷いで、自分の人生の後半を台無しにしてしまったわ。本当に愚かだったわ。」

佐々木和利は傍らに立ち、二見奈津子を見つめていた。彼女は多くの人生の苦難を経験してきたにもかかわらず、人を悪く考えようとせず、依然として慈悲の心を持ち続けていた。