二見華子は警察署に向かう途中で冷静さを取り戻していた。
警察の取り調べの際、二見華子は何も知らないふりをして、涙ながらに泣き崩れ、見る者の心を打った。
警察官たちは途方に暮れ、二見家の弁護士たちが外で警戒を固めていた。
これは単なる通常の事情聴取だったが、上層部から融通を利かせるよう電話があり、すぐに二見華子は署名して釈放された。
弁護士たちは急いで二見華子を守り、二見和利も彼女を迎えに来ていた。
警察署の前には大勢の記者が集まっており、彼らが出てくるのを見るや否や、蜂のように押し寄せてきた。
二見和利は上着を脱いで二見華子に掛け、彼女を自分の後ろに庇った。
「二見社長、高橋真理子さんが二見娯楽に騙されて海外に売られそうになったと告発していると聞きましたが、本当ですか?」