佐々木和利は食事をしながら黙って聞いていて、二見奈津子がこの家族にとてもよく馴染んでいると感じた。
テーブルに置いてあった携帯電話が突然振動し始めた。長谷川透からの電話だった。
同時に、二見奈津子の携帯電話も鳴り始めた。
二人とも立ち上がって脇に行って電話に出た。
「奈津子、どのプラットフォームでもいいから見てみて。あなたと和利さんがトレンド入りしてるわ」藤原美月の声には少し興奮が混じっていた。
「え?」二見奈津子は首を傾げた。
「タイミングがいいわね。こんなことになるなら、あんなに宣伝に力を入れなくても良かったかも。最初からあなたたち二人を表に出して注目を集めれば良かったのに」藤原美月は無駄な努力をしたことを後悔していた。
二見奈津子は電話を切らずに、エンターテインメントニュースを開いた。