120 光を奪う

佐々木理恵は二見華子に話す機会を与えず、嬉しそうに飛び跳ねて、二見華子の手を取った。「まあ!ここでもあなたに会えるなんて、本当に不思議ね!良かった、二見華子さん、まさか私たちが一緒に番組に参加できるなんて思わなかったわ!」

二見華子は佐々木理恵が何を企んでいるのか全く分からなかった。数日前に専門店で彼女を侮辱したばかりなのに、今日は何故か新しい姉妹のように親しげに接してくる。これは一体どういうことなのか?

彼女はどんな表情で応対すればいいのか分からなかった。

その一瞬の戸惑いの間に、佐々木理恵は既に彼女の手を離し、少し傷ついた表情を見せたが、すぐに笑顔に戻った。「中村先生、西野先生、来ましたよ!佐々木理恵です!」

佐々木理恵は大股で台所に入り、呆然とした二見華子をその場に置き去りにした。

中村裕太は料理を作りながら笑って言った。「来たのは分かってるよ。油が跳ねるから離れていなさい。やけどするよ。」

西野も笑って言った。「そこでおとなしく立っていればいいよ。来たのは分かったから。」

佐々木理恵はくすくすと笑った。

美咲は興味深そうに尋ねた。「知り合いなの?」

佐々木理恵は頷いた。「中村先生には演技の授業を受けたことがあります。西野先生は私の両親の憧れの人なんです!」

美咲は笑って言った。「来る前は、ここで彼らに会えるとは思わなかったでしょう?」

佐々木理恵は二見華子をちらりと見て、笑いながら頷いた。「そうなんです!本当に至る所にサプライズがありますね!」

もし彼女がメンバーリストを知らず、二見華子が参加することを知らなければ、来なかったはずだ!

今回は、まさに恨みを晴らすためだったのだから!

佐々木理恵は話好きで、入ってきてから口を閉じることなく、あれこれと質問し、場を盛り上げ、時々みんなを大笑いさせた。

夕食の準備ができ、テーブルいっぱいの料理を見て、佐々木理恵は心から称賛した。「すごいです!素晴らしい!先生方、本当にすごいです!これは私が見た非プロの方々が一度に作った料理の中で二番目にすごいものです!」

美咲は笑って言った。「『非プロの方々』って何?」

佐々木理恵は答えた。「料理人でもなく、プロのお手伝いさんでもない人たち、それが『非プロの方々』です!」

この説明は的確で、みんなまた笑い出した。